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4年生の想い 〜樫尾和明〜

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「WASEDA The 1st」
選手である前に、まず人として1番であれ。1位、勝利への執着。

「永続的に頂点に立ち続けるための土壌作り」
毎年1stを目指す目指せるチームの土壌を後輩へ継承し続ける。

「社会に利益をもたらす」
部員一人ひとりのピッチ内外での戦いぶりで、生き様で、仲間、相手チーム、応援・支援・観に来て下さる方々の心を動かし活力を与える。

 

早稲田大学ア式蹴球部が掲げる3つの理念です。
先輩達は代々早稲田を背負い、この伝統を継承してきました。

 

入学当初、私にとってア式とは、衝撃そのもの。
何度も私の想像や既成概念を越えられました。
ア式に来て「本気」とは何かを知った。
自分は今充分やっていると思う自己満足の2層も3層も先の領域にあるもの。
果たして後輩たちにはどれだけ伝えられているのだろうか?
私達との1年が終わる今、何を感じてくれているだろうか?

 

私が1年生時、当時Bチームでコーチにひたすら怒られていた4年生に、最後せめて勝って引退させてあげたい、そう思って臨んだIリーグ最終節に負けて、そんな自分が不甲斐なくて、試合後みんなに隠れて泣きました。
2年の時の4年生にはピッチ外でも本当によくしてもらい、東京で兄貴が沢山できたと思っています。
1つ上の代は、主将の拓真君を始めチームを想う気持ちに溢れ、この人達について行こうと思わせるような人達でした。
今年の4年は、私自身は、どれだけの後輩たちにどんな風に想ってもらえているだろうか?

 

今シーズン始め、私の全てをア式に捧げてやると誓い
「A,B,Cチームが、後輩たちが、1年生練習生が、利他のため、新人監督として、4年として、学生コーチとして、怪我人として…」日々こんな事を考え、
いつしか主語に「俺」が浮かばなくなったことに気付きました。就活も同時並行していた際、自分が分からなくもなりました。
「本当の俺ってどんな人間だっけ?俺が本当にしたいことって?」
意志ではなく、責任感や義務感に生きる日々。
しかし同時に、それは
「自分をないがしろにして逃げる言い訳になっていないか?」と葛藤もしました。
それでも、人としてあまりに未熟過ぎた私にとって、他者を背負って闘うこと、その姿勢を示し続けることは譲れないものでした。

 

昨年、4年生の人間力で勝ち獲ったリーグ優勝。
一転して今年、私の代は3冠を掲げるがその内一つのタイトルにかすることなく、残り2節で1部リーグ降格の危機にあります。
監督やスタッフにも感謝しきれない程お世話になった。
OBや応援して下さる方々の期待を裏切り続けた。
ア式から与えられるものだけもらって、このまま2部に落として、後輩達に尻拭いなんて絶対にさせられない。

 

明日で決まる。
負ければ降格。勝てば降格圏脱出。
ア式の犯罪者となるか、それとも全く頼りにならない4年なりに最後踏ん張れるのか。

 

自分がどんな立場だろうが、
周りからどう思われようが、
自分に力が無くて何もできなくたって、
そんなことどうでもいい。
早稲田の伝統を背負い、後輩たちの未来のために、何が何でも1部残留させる。
俺がこのチームを最後何とかしてやる。

 

 

また、最後に。
ア式に来て1番最初に仲良くなったのが、当時同じく寮外生だった雄希だった。
1年の頃、毎日のように雄希の部屋に通って、授業も飯も遊びに行くのもずっと一緒で、彼女にも会わせてくれた。
今年私が新人監督になったのも雄希と2人だったから。
明日はヒロがいない。決めるのは雄希しかいない。
どんなに結果が出てなくたって、俺はずっと雄希を信じてる。
早稲田のために闘えるやつのところに、最後の最後ボールは来る。
明日は絶対やってくれる。