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4年生の想い 〜須田智博〜

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私は将来プロのトレーナーになりたいと思い早稲田大学スポーツ科学部に入学した。
 
どこかで経験を積みたいと思っていた。どこでもよかった。
友人がア式に見学に行くと言いそれについて行った。
ア式の存在を知ったのはそれが初めてで、ア式がどういうところなのかなんて全く知らなかった。

 

しかし、見学に行って衝撃を受けた。今でも覚えている。
 
1人1人上手いしめちゃくちゃ走る。
選手同士で喧嘩が始まるんじゃないかと思うくらい怒鳴り合っている。
その日は火曜日でoff明けに行うランニングトレーニング、通称火曜ランが行われた。
全員死にそうになりながら走る。こんな激しい練習をした後にまだ走るかと唖然とした。

 

このたった2時間の練習見学で私は何かを突き付けられ、また魅了された。
 
自分のトレーナーになりたいという想いの弱さに恥ずかしさを感じた。
こんな本気の選手達と夢に向かって共に歩みたいと思った。
そして自分の振る舞いで他人に何かを感じさせ、他人に必要とされる存在になりたいと心の底から思った。

 

それからもう3年半も経った。
気付いたら引退となる最後の試合まであと3日となった。
 
あの時思い描いた理想の姿はいまここにはない。
 
他人に何かを感じさせる人間になれているのか、分からない。
他人に必要とされる人間になれているのか、分からない。
 
1つ間違いないことは自分の今までの取り組みは、チームを関東リーグ2部へ落としてしまう程度のものであったということ。
今までやってきたこと全てを否定された気がして悔しくて堪らなかった。

 

「微差力」
 
今年度ア式OBである久保田武晴さんとの出会いを通して知った言葉である。
小さな差はいずれ大きな差を生むといった意味が込められている。
だから自分の成長のためには小さいことにもこだわりを持ちたいというお話を聞かせていただいた。

 

自分は逆だ。
 
小さなこだわりが欠けていたからこそいまこんなにも悔しい思いをしている。
気付くチャンスはいくらだってあったのに。

 

日頃からア式にご支援、ご声援をくださっている方々の期待を裏切るような結果になってしまい本当に申し訳ありませんでした。
そしてア式がどんな苦しい状況にあろうともより温かく強いご声援を送っていただきありがとうございました。
ア式の活動を通して様々な方との出会いがありました。
ア式の練習や試合に見に来てくださる方の中には早稲田大学やア式に全く関わりの無い方も多くいらっしゃいます。
そういった方々が僕らにこうお声をかけてくださることがあります。
 
「ア式の試合や活動ぶりを見ていると自分も頑張ろうという気持ちになる。」
「夢や目標に向かって全力で戦う君たちを羨ましく思う。応援したい。」
 
過去の自分と同じようにア式を見て何か感じて下さっていました。
 
ア式の理念でも「社会に利益をもたらす:明日に繋がる勇気」を掲げています。
 
私はこの理念が好きです。
どんな状況の中でもア式の活動を通してたった一人でも他者に何か明日に繋がる勇気をもたらすことができるなら、私はア式が活動する意味があると思っています。

 

 
厚かましいとは思いますがお願いがあります。
どうか今までと変わらずア式の試合を見に来てください。応援してください。
来年度舞台は関東2部へと落ち、私たち4年はいなくなりますが、3年生以下が残ります。
そしてア式蹴球部は続いて行きます。
残念ながら今年度は期待を裏切ってしまいましたが、ア式蹴球部員と応援してくださる皆様とが歓喜の瞬間を分かち合うことができる日がくると信じています。
私が引退した後もア式のためにできることを続けていきたいと思います。
それは今年度2部に落としてしまったことに対する償いでするためだけ訳ではありません。
自分を変えてくれたア式への恩返しと少しでも多くの方々と歓喜の瞬間を迎えるためです。

 

 
私たちにはまだ時間が残されています。
 
11/12(土)に東伏見のグランドで行われる最後の試合(15:00 kickoff、vs駒沢大学)で感謝の思いが伝えられるよう、明日に繋がる勇気を与えられるよう勝利を掴み取ります。
そのための取り組みを残された時間の限りしていきたいと思います。

 

是非当日は東伏見へ足をお運びください。