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東日本復興支援ボランティア - 気仙沼にて早稲田カップ開催 -

こんにちは。広報の森岡です。
私たち早稲田大学ア式蹴球部は6月9日~10日、宮城県の気仙沼市にサッカー教室及び気仙沼市サッカー協会主催の地元の小学生によるサッカー大会「早稲田カップ」のお手伝いに行ってきました。
ア式蹴球部のOBであり元日本代表主将、現在JFA復興支援特任コーチである加藤久さんが中心に企画してくださったということもあり、今回こうした直接的に被災地でボランティア活動をする機会をもたせていただくことができました。
また、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターの協力、ご支援をいただきサッカーを通じて東日本大震災の被災地を支援しようという趣旨のもと実現された企画でもあります。

2日間の様子を少し振り返りたいと思います。
8日の夜バスで東伏見を出発。9日の朝に気仙沼に到着し、少し現地の様子を見せていただきました。

津波の影響でほとんどの建物の1階部分がむき出しになっています。震災から1年と3ヶ月が過ぎ、倒壊した建物や瓦礫の撤去を終えて何もない土地が広がっている場所が目立ちます。津波の被害を受けたところでは地盤沈下も深刻となっているそうです。

復旧が進んだとはいえ、あらゆるとことにまだ被害の爪あとが色濃く残っています。

この船は福島から気仙沼まで流されてきたそうです。

分かるでしょうか。左下に見える青色のものは船に押しつぶされた車です。この船の下敷きになって多くの人が尊い命を落としました。信じがたいこの光景を目の当たりにし、改めていかに恐ろしいことが東北の地に起きたのかを思い知らされました。

1年3ヶ月の時を経て初めて現地を訪れ目にしたこの光景は衝撃的でした。
テレビを通して何度も被災地の様子を見てはきましたが、実際にその地に足をつけて見る光景、感じる空気から想像をはるかに超えるショックを受けました。
それでも現地の方や今まで何度もこの地に足を運んでおられる方は「全国各地からたくさんボランティアの方が来てくれてずいぶんきれいになったんだよ」と話します。
一体1年3ヶ月前どんな光景が広がっていたのか、想像するだけで胸が痛くなります。
「自分に何が出来るのか」
あらためて強く考えさせられました。

その後、サッカー教室と早稲田カップの会場となる気仙沼小学校に向かいました。
到着するとすでに何人もの子供たちがグラウンドでボールを追いかける姿がありました。

その隣でサッカー教室の準備を進めていると手を貸してくれました!

午前中のサッカー教室では最初は恥ずかしがっていた子たちともサッカーを通して気づけば打ち解けあうことができ、子どもたちは終始笑顔で嬉しそうにグラウンドを走り回っていました。

そして午後から早稲田カップが開催されました。

気仙沼市サッカー協会会長のご挨拶

加藤 久さんのご挨拶

気仙沼小学校で行われた本大会には、気仙沼市内および近隣の地域から8チーム・約160人もの小学生が出場しました。出場チームの中には、震災によりグラウンドが使えなくなってしまったままのチームもあり、グラウンドを使ってめいっぱいサッカーの試合をできるというだけで子供達には特別なことだそうです。
2日間ともあいにくの雨天でしたが、のびのびとサッカーをする子供たちの姿にこちらが元気をもらってしまいました。

男子部から参加した全員のコメントを紹介します。

4年 小山 大樹

「私は強く感じたことが2点あります。1つ目は、復興にはまだまだ長い時間がかかるということです。1年3ヶ月たった現在でも、街一番の繁華街が真っさらな状態でした。これを考えると、今後も震災に対する思いを風化させずに、支援を継続させていくことが必要だと感じました。2つ目は、サッカーを「普通」にやれていることに感謝するべきだということです。被災地の校庭の多くは、仮設住宅建設場所になっています。サッカーをしたくてもできない子供が大勢いるということを頭に置き、一つ一つのプレーを大切にすることが重要だと感じました。」

4年 喜田 弘亮

「震災から1年以上経つけれど想像以上に被害が残っていて少しショックでした。そういった中でも子供達は楽しそうにサッカーをやっていたし、うまくなろうと必死で、自分達がいかに環境に恵まれているかとういうことを改めて考えさせられました。また、今回、一緒にサッカーをした小学生に日本一になったチームになった人達に教えてもらったといってもらえるようがんばらなければいけないと感じました。」

4年 岡村 高志

「今回の気仙沼サッカー教室に行く前は、震災を経験した子供たちとどう関わればいいのかと考えることもありましたが、いざ現地へ行ってみるとそんな心配も吹き飛ばすほど元気な子供たちに逆に元気をもらったと同時に、サッカーを楽しむ子供たちの姿を見られたことが嬉しかったです。また、将来サッカー選手になりたいと語る子供たちも多く、今回のようなサッカーをできる機会を増やすことが必要だと感じました。自分にできることは限られているかもしれませんが、これからも何らかのかたちで関わり続けていきたいと思います。」

3年 澤山 周跳

「気仙沼の子供たちは普段サッカーをやるような場所も無く、久しぶりの機会であったと聞きましたが、その子供たちの一生懸命ボールを追う姿勢、ゴールを目指す姿勢に勇気をもらいました。試合中は保護者やスタッフの方達も一緒になってに声援を送り、全員が心からサッカーを楽しんでいました。復興までにまだ長い時間がかかると思いますが、サッカーを愛する仲間としてこれからも支援していく事、そして今まで以上に感謝の気持ちを持ち一生懸命プレーする事が必要だと感じました。」

3年 竹谷 昂祐

「なにより行ってまず感じた事はもっと早く来るべきだったということです。一年以上たっているにもかかわらず建物はほとんどなくまだ瓦礫が残っているとこがありました。被災直後ここはどのような風景だったか想像できず、様々な人の努力がありここまできたんだなと強く感じました。被災地の人たちが苦労したり努力していた1年3ヶ月と自分がなんの障害もなく生活やサッカーをしていた1年3ヶ月を重ね合わせ、自分がどれくらい恵まれていていかに幸せかということを考えさせられました。被災地の子供たちはやっと今月から週2回練習できるようになったと言っていました。その回数を有限ではあるけれど僕たちが来ることよって増やすことができます。風化が始まりボランティアの人の数も減ってきていると聞きました。今ここで伝えたいことは今からでもボランティアをするのは遅くないし、これからもボランティアがはまだまだ必要だということです。自分の目で見ないと感じれないことが本当に多いと思います。日頃のサッカーをできている幸せをこのようなボランティアで表現すると同時にon the pitchのところで結果を残し、あのお兄ちゃんたちが頑張ってると思ってもらえるように努力したいと思います。」

3年 小原 敬

「僕は、宮城出身ということもあり、あの地震をとても身近に感じています。そして、チームの中の誰よりも復興に貢献していきたいと思っています。今回、気仙沼でサッカー教室を開く、という形で気仙沼にいくことができてとても良かったです。今回気仙沼にいって、改めてあの大地震のこわさを痛感しました。しかし、それ以上に、現地の人々の力強さと優しさ、なにより笑顔に自分自身が元気をいただきました。本当にありがとうございました。近いうちにまた気仙沼にいって子どもたちと一緒にサッカーを楽しみたいと思います。」

2年 山下 翔平

「今回、気仙沼に行かせてもらい貴重な経験をすることができました。自分たちには当たり前のようにサッカーができる環境があることのありがたさを改めて感じました。早稲田カップが開催された小学校まで3時間かけてきたというチームもありました。小学生との交流を通して個人の成長には初心を忘れないことが大事だと思いました。また、街中を観る機会があり何もない場所もありました。今回だけでなく今後もこのような活動を続ける必要があると思います。」

3年 堂本 大輝

「今回気仙沼でのサッカー教室に参加してみて、スポーツの力を強く感じました。一緒にサッカーをしたり遊ぶ中で被災した子供たちの元気いっぱいに走り回る姿やたくさんの笑顔を見ることができました。そのことでスポーツを媒体としたコミュニケーションや震災復興への力を直に感じることができました。この機会を通じて、私自身素晴らしい環境でサッカーをすることができていることへの両親を初めとしたたくさんの人へ感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたいとおもいます。」

3年 清水 大志

「東日本大震災が起きてから、被災地にボランティアに行きたいと思い続けていました。なので、今回このような機会を作っていただきとても嬉しく思います。
気仙沼へのボランティアを通じて、触れ合うことの大切さを実感しました。また、エネルギッシュな子供たちと一緒に遊ぶことで、自分自身も元気を貰うことができまし
た。ボランティア活動を行ってみて、想像以上に大きな影響を受けました。もし機会があれば、またボランティアに行って多くのものを吸収したいと思います。」

3年 中谷 幸葉

「被災地を実際に目の前にして見たのは初めてで、震災から一年半経ってるとは言え、まだ復興しきれていない現地に衝撃を受けました。しかし、サッカー教室に来てくれた多くの子供達はとても元気で、逆に自分が元気付けられました。楽しそうにサッカーをしている姿を見れて良かったです。今後も被災地の為にこのような活動をしていきたいと思います。」

3年 園田 慎一郎

「気仙沼にいって自分がパワーをもらったなと思うほど向こうの小学生は元気で無邪気でした。サッカーボールを一緒に一生懸命追いかけて、さわいでるうちに打ち解けることができ、ほんとに楽しい時間でした。しかし、小学生一年生の男の子が雨が降りだしたときに、「水がこわい」と袖をつかまれながら言われたときは重い現実をつきつけられました。気仙沼市街はまだ復興するのもに多くの時間がかかると聞きましたが、人の心の傷はどうなのかなと考えさせられました。でも、復興にむけて前向きなのも事実です。今回はサッカーという形でしたが、これからも少しでも力になれたらと思います。まずは、自分の体験を伝えることから始めたいと思います。」

1年 原 伊吹

「今回、被災地に行く事によって自分達の現状がどれだけ恵まれているかを実感しました。また、私達がボランティアに行くためにたくさんのOBの方々のサポートがあってこその活動でした。被災地に行き、自分達ができる事を精一杯しましたが、まだまだ足りないという思いもありました。また機会を見つけてボランティア活動などを積極的に行っていきたいです。それと同時に他の人達に今回の事を伝える事で、被災した事を忘れないように働きかける必要があると思いました。OBの方々などたくさんの人達のお陰で不自由なく、東伏見という素晴らしい環境でサッカーができる幸せを噛み締めながら、これからの活動に取り組んで行きたいと思います。」

コーチ 木下 貴博

「今回初めて被災地を訪れ、何もかも津波に押し流された光景を見て無力感をおぼえました。もっと実益のある活動ができるのではないかとも思いました。しかし、仮設住宅で暮らしている子どもたちは思いっきり遊ぶことも制限され、こういった機会でないと体を動かせないという話しを聞いて、復興へ向かっている今だからこそスポーツや音楽の力が必要だと思います。」

部員たちのコメントからも分かるように、この2日間は感じることも多く、非常に貴重な機会となりました。
子供達の姿からはとにかくサッカーが大好きで大好きで、ということがひしひしと伝わってきて、改めてサッカーの力、スポーツの力はすごいなと思いました。
そして、やはり大切なのは今後、この先、継続して何ができるか、です。
ボランティアセンターの方に今、「復旧」から「復興」に変わってきているというお話を伺いました。いかにして「盛り上げる」手助けをしていけるか、そこにスポーツが持つ意味というのは大きいのではないでしょうか。
今後もこうした活動に積極的に参加し、継続して復興支援に携わっていきたいと思います。
そして同時に今回参加してくれた子供達とのつながりを大切にしていきたいと思います。
子供達が喜んでくれる報告ができるよう、リーグ戦はじめ今後の試合にもいっそう気合を入れて頑張っていきます。

「お兄ちゃんたち頑張ってね!」と応援メッセージも書いてくれました。

1日目の夜にはゴスペラーズの皆さんも駆けつけてくださいました。

すっかり仲良くなりました。また一緒にサッカーしようね!

今回、こうした活動に参加できるよう準備をしてくださった皆様、当日含めご尽力いただいた皆様、参加してくれた子供達、保護者の皆様、本当にありがとうございました。
この機会を無駄にせず、必ず次につなげていきます。
改めまして東日本大震災により、お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

それでは失礼します。