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30周年企画『半年後の私へ』山下夏季

こんばんは
本日の担当は、4年山下夏季です。

最近は私をいじり倒してくる後輩が増えてきました。
差し入れを私に食べさせないように見張る後輩や、
逆に私のために、とっておいてくれる後輩もできました。
太った時に限って「痩せました!?」と言ってくる後輩もいます。
それも全て愛と受け取ります。ありがとう!

今日はそんな私のア女日記です。
最初に言います。とても長いです。
お時間ある時に読んでくださると嬉しいです。

「頂」を獲る。ア女2020はスタートした。
結果インカレ初戦敗退。
思うようにサッカーができなかった、
合宿ができなかった、
試合がなかった、
その中でも昨年の4年生を中心にチームを創ってきた。
プレーで、背中で、言動で、仕事で、引っ張ってくれる4年生がいたのに、
結果は初戦敗退。

日本一に何が足りなかったんだろう。
大東文化大学には、帝京平成大学にはあって、
ア女に足りなかったものはなんだろう。

インカレで負けたその日ホテルに帰ってきて、
同部屋だった同期と話した。
でも溢れてきたのは
「なんでなの…」「こんなはずじゃなかった…」
そして「こんな悔しい思い二度としたくない」
「来年は、もう思い残すことない状態でインカレに行こう」
「全ての試合、練習で最善を尽くそう」。

それから私たち同期は来る2021シーズンについて話し合いを重ねた。
スローガンは『挑越』、目標は『四冠』。
どれも決して容易い目標ではない。
でも、だからこそラストイヤーがとても楽しみだった。

自分たちはあくまでも今年は挑戦者。
その気持ちは忘れてはいけない。
土日連戦でタフなシーズンが始まること、
それは選手だけでなく私たち学生スタッフにとっても1日1日が貴重なもので、
確実に積み上げなければならないもので、
週末の勝利へ繋がるから。
だからこそ、その1つの勝利が本当に尊いもので、価値あるものとなっている。

早稲田は、ア女は、そのシーズンの色は4年生の色によって決まると言っても過言ではない。
だからこそ自分たちの色がチームの色になることが楽しみだったし、
不安よりも期待が大きかった。
先輩や後輩に、
「この代は仲良いし、その分言い合えるし、良いチームになりそうだね」
そう言われる度、嬉しかった。
それは自分たちでも気づいていたところだったから、
存分に自分たちの色をチームの色に染めていきたいね、
って始動前に何度も話した。

でも今、チームの色はどうだろうか。
後輩たちに支えられていないか。4年生は何してるの?
そう言われても仕方ないと思う。
関カレ開幕前に、当時の学年の雰囲気についてミーティングをした。
3年間一緒にいても、分かり合えない価値観にぶつかった気がした。
期待しすぎていた自分が悪かったのか、
そもそも要求ってどこまでしたらいいのだろう。
いつの間にか学年のことはもちろん、
チームのことを考えないようになった。

それでも自分が悩んでいるのはお構いなしでチームは勝利を積み上げていた。
心のどこかで(このままでいいのか?いつかまた崩壊するんじゃないか)って思っていた。

そしてチームの連勝が止まったときにはもう遅かった。
『4冠』を目指すチームの雰囲気はもちろん、『4年生』の色なんて消えていた。
チームのミッションとして掲げた『感謝』『挑戦』『凡事徹底』。
私自身、気が抜けていたことも多々あった。
連戦での疲労を言い訳にして疎かになった報連相。
コミュニケーション不足で生まれた数々の問題。
そのどれもが自分たちの勝手な思い込みや少しの気の緩みからだった。

大学スポーツは難しいと日々思う。
出身や育ってきた環境も違えば、大学生活における目標も違う人たちが集まって、
1つのチームとして「早稲田大学ア式蹴球部女子」として
毎日のように練習をして、試合に出るのだから。
私のように日本一を目指す人もいれば、
サッカーを練習しに来ている選手もいる。
だから無理に同じレベルまで要求することだって、そんな権利も義務もない。
しかし強いチームはそんなバックグラウンドは関係なく、
「このチームの勝利のために貢献したい」
と心から思える人が1人でも多くいるチームなのではないか、と私は考える。

1年前の私は「ア女のために」「選手のために」という言葉を
何か事あるごとに言っていた気がする。
だからこそ“アツいマネージャー”と言われていたのかもしれない。
でもそれを言われる度、悔しかった。
私のチームに対する熱や愛を、
周りも同じように持っているのが当たり前だと思っていたから。

私たちスタッフはチームのためにという想いは元々強いかもしれない。
しかし選手はその時置かれた状況によって想いは変わってくるだろう。
それは仕方のないことだと思っている。
でも今年の私はマネージャーだからではなく、
4年生として、目標を達成するために、
この39人+スタッフで日本一を獲るために、
今年こそ西が丘で笑って終わるために、
本気で自分にできることをやっている。

練習中に声を出すのが選手だけって誰が決めた?
苦しい時に声を出すのなんてこのチームにいる誰だっていいじゃないか?
サッカーのルールはまだまだ勉強中でも、
前向きな声掛けくらい誰にでもできる。
言いたい人が、言える人が言えばいいじゃないか。

「夏季さんの声がしたから、今日の試合頑張れた!」
小さい身体を張ってプレーしている、可愛い後輩が言ってくれました。
心の底から嬉しかった。

私が声を出し続けるのは、アツいマネージャーだからではありません。
チームが勝つために、「日本一」を獲るために、自分ができることだから。
それは私が『4年生』としてやると自分で決めたことだから。

後輩のみんなへ
その姿を見て、「あのマネージャー本気なんだ。」と
思ってくれたら嬉しいです。
そして、追い越す勢いでついてきてくれたら嬉しいです。

今シーズン私の目標は
「チームの1人でも多くの人が後悔なくシーズンを終えること」。
これは本当に難しいことです。
チームの勝利ですら心から喜べる選手が少ない中で、
1年間を後悔なく終わらせるなんて…私も思います。

だからこそ、そんなチームを創るのが、「4年生」です。
何度もミーティングを重ね、お互いの想いをぶつけてきました。
お互いの性格について話した時、
確かに私はみんなに「頑固」と言われました。
頑固になるくらい、私は本気でこのチームに向き合ってきました。

そしてそんな私と同じ土俵で、毎日戦ってくれる2人の仲間がいます。

2年生ながら堂々とした立ち振る舞いで、ピッチ内外で走り回ってくれている子。
出会ってから2年目とは思えない程、コンビネーションは抜群で、
メンタルの弱さもびっくりするくらい同じです(笑)
今では思っていることが口にしなくても分かるくらいです。
彼女がいなければ今の私がないと言っても過言ではないくらい、
私にとっては、とてもとても大きな存在です。

そして入部して3ヶ月とは思えない程、
安定した仕事ぶりで、またカメラマンとして活躍してくれている子。
私たち先輩マネージャーのよく分からないノリにも必死についてきてくれています。(笑)
これまでのア女にはない、
カメラマン兼マネージャーとしてまだまだ困惑している中で、
必死に私たちについてきてくれて、
仕事を覚えようとしてくれる彼女は本当に頼もしい仲間です。

2人ともよく私の機嫌に振り回されながら一緒に仕事してくれるなあ、
と思っています(笑)
同期にも、1つ上にも、1つ下にもマネージャーがいなかった私にとって
彼女たち2人は心の拠り所です。入部を決めてくれて本当にありがとう。
無理言って仕事を覚えてもらうことが多くなってきたけど、
あと半年、頼りにしています。
練習前の3人で話しているあの時間が私は本当に好きです。
何を話しているかは3人だけの秘密ということで…!

あと半年で私のア女での生活は終わります。
長年関わってきたスポーツともお別れする予定です。

最後に、
ありがたいことに、今年ア女は創部30周年です。
そんな記念すべき年に部に4年生として在籍できていること、
主務として多くの方と関わる機会をいただけること。

30年という年月で「早稲田大学ア式蹴球部女子」が積み上げてきたもの。
それは大学女子サッカーの歴史において、非常に大きいものであること。
歴史の1ページに残る1年を創ります。

そして強い早稲田を取り戻します。

半年後の私が笑顔で引退できますように。
ア女に入って良かった、最後まで頑張って良かった、
そう思うことができますように。

とても長く、拙い文章にも関わらず、
最後まで読んでいただきありがとうございました。
残り半年になりますが、ア女2021の応援よろしくお願い致します。

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以上です。
明日もお楽しみに。

笠原