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インカレ特集〜四年生の想い・浅沼英里子〜

 

気付けば小学校3年生からこれまで、13年もの間サッカーを続けている。
その13年の中で、これほどまでにサッカーと向き合い、自分を見つめ直した日々はあっただろうか。
きっとア女に入らなければ、自分の未熟さを知ることも、未熟さを受け入れ乗り越えようと努力することもなかったように思う。
私にとってア女は、常にチャレンジし続ける必要がある、そんな場所だった。
だからこそ結果で示さなければいけない。
4年間の集大成として全てを懸けよう。
そう決意し、今シーズンをスタートした。

それなのに待っていたのは、最初の練習試合で膝の前十字靭帯断裂。
ああ、またか。
これで前十字を切るのは4回目。
中学の時と高校の時に1回ずつ。
去年の秋にも損傷していて、保存でのリハビリを経てやっと思い切りプレーできると思っていた矢先の出来事だった。
ショックを通り越して、自分に呆れた。
しかし、起きてしまったことを悔やんでも仕方がない。
手術をし今シーズン中に復帰できる可能性があるなら、手術をしよう。
悩みに悩んだ結果、手術をすることにした。

それからのリハビリは想像の何倍も過酷だった。
3回目の手術で通常は1年程かけるのが一般的なところ、半年で復帰すると言って聞かなかった。
毎日毎日何かに追われ、常に頭の中は膝のことでいっぱいだった。
上手くいかないことに何度も涙し、自信をなくした。
それでも下を向き立ち止まっている時間なんてなかった。
地味で代わり映えしないメニューをひたすら繰り返す。
成長に近道などなく、日々の積み重ねが全てだということを身にしみて感じた。

ただ不思議なことに、思うようにならず嘆いた時間が、サッカーへの想いをより強くした。
私は自分が思っている以上にサッカーが好きだということを知った。
ボールを蹴れることの喜び。
グランドを走り回れることの喜び。
仲間と切磋琢磨し、同じ感情を共有できることの喜び。
「サッカーを楽しむ」という当たり前で最も大切だけど、見失ってしまいがちな原点に、改めて立ち返ることができた。

こうして復帰してみんなと一緒にサッカーができるようになるまで、本当にたくさんの人にお世話になり、元気と勇気をもらいました。
どんな時も私の好きなようにさせてくれ、信じ続けてくれた家族。
サッカーに対し全力で、他人に優しく自分に厳しい後輩。
常にチームのことを第一に考え、最善を尽くす同期。
ア女を影で支えてくれ、頼もしく必要不可欠なスタッフ。
同じように怪我に苦しむ中で、互いに励まし合い心の拠り所であったリハビリ仲間。
ありえないほどのわがままを聞き入れ、一番近くでサポートしてくれた理学療法士のMさん。
ここには書ききれない多くの人の支えがあって、今の私があります。
1人では乗り越えることができなかった。
本当に心からありがとうございます。
サッカーができていることは、決して当たり前ではなくとても幸せなこと。
そのことを忘れずに、残りの日々を噛みしめていきたいと思います。

今シーズンのア女に残された時間は有限ですが、ア女の可能性は無限大です。
もっともっとこのチームでサッカーがしたい。
一番長くサッカーがしたい。
1月19日にみんなで笑っていられるように、地に足をつけて一歩一歩進んでいく。
ア女ならできる。必ず。全員で「頂」を獲にいこう。

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彼女には、飾らない”強さ”がある。
表立ってその強さを誇示するわけではなく、
決して弱音を吐かない、ということでもない。
しかし、彼女の何気ない姿が仲間たちに勇気を与え
彼女自身が、仲間を動かす原動力となっている。
それは、なぜか。
彼女が時々口にする、正直で素直な弱音とは裏腹に
彼女が普段口にしない、強く、芯の通ったブレない意志を、
その秘めた熱さを一歩一歩体現していく彼女の姿を、
仲間たちは、知っているからだ。
「多くの人に支えられた」と彼女が言うように
そんな彼女の姿に多くの人が支えられ、背中を押されてきた。
こうして彼女と仲間が創り上げた集大成が発揮されるその瞬間
人々の心は強く動かされることになるだろう。

阪本