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「ア女にいる私」vol.13 川端涼朱

本日の担当は、4年生川端涼朱です。

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本日、部員ブログを担当させていただきます、4年の川端涼朱です。
このようなテーマで日記がスタートし、こんなに毎日一緒にサッカーをしている仲間でも知らないことばかりだなと、自分の観察力のなさを痛感するとともに、だからこそ人は面白いと感じています。今回の部員ブログで何を書こうか悩みに悩み、過去を振り返り思うままに書いたものがいくつかあったのですが、このような時だからこそ、ア女にいる私が“今”思うことにフォーカスしたいと思います。

活動自粛から3週間が経ちました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は、お恥ずかしいことに21年間生きてきて初めて父と母の偉大さを、姉と弟たちの優しさとたくましさを身に染みて感じています。

 ア式蹴球部女子部。略してア女。“早稲田大学女子サッカー部”ではないことを4年目にしてなぜか誇らしく思います。さて、ご存知の方も多いと思いますが、ア女は2020年度大きく体制を変え、再スタートを切りました。WMWクラブ会長の杉澤さんをはじめ、OB・OGの皆様、大学関係者の皆様、私たちに必要な環境を整えるために平素よりご尽力いただき誠にありがとうございます。略儀ではございますが、この場を借りて感謝申し上げます。

 私が務めるア女の主務というのは、遠征の手配をしたり、大学への手続きを行ったり、大会の参加申し込みをしたり、主に事務作業です。ア式蹴球部としての主な仕事は男子部の主務がまとめてやってくれています。部員数は女子部よりはるかに多く、私には計り知れない量の仕事を遂行している男子部の主務は、女子部の何倍も大変だと思います。難しそうなメールが届くたび、イベントや集会があるたびに男子部の主務には感謝しています。

 私のポジションはゴールキーパーです。ある人のブログにも書いてありましたが、私もキーパーズの存在には感謝しています。
「同学年にキーパー2人は耐えられない」
とよく言われますが、(女子サッカーではそれほどキーパーが少ないのです)本当に2人いるなんて受験会場で初めて知りました。ごめんね。相手がどう思っているか本当のところは知りませんが、もう1人いて、しかもそれが彼女で良かったと私は思っています。彼女がいなければ私はア女をやめていることでしょう。募る感謝の気持ちは卒業式にでも手紙に書いて渡そうと思います。

ア女にいる私が今思うこと。本題はここからです。かなり身内の話になってしまいますが、1人の部員の悩みや決意ですので、ご寛容いただけますと幸いです。
部員ブログのネタを探しているときに、最近考えていることを思い出しました。チームは誰が作るのか、ということです。
入部当初、ア女はやってもやらなくてもいい、しかし、求める水準は皆同じ高いところにあるそんなチームでした。(技術もメンタルも今よりずっと未熟で単純だった私の記憶などあてになりませんが。)記憶が美化されすぎていなければ、私はそんなチームが好きでした。指導者がなんだ、環境がなんだと当時言ってはいたものの、やりたいことができる、優先順位を自分たちで決められる、やったこともやらなかったことも結果につながる、GKコーチのシュートは怖いしうまくいかないことばかりだし、辛いことしかなかったようにも思いますが、そんな学生が作るチームが好きでした。

前述の通り、今では体制が大きく変わり、雰囲気も変わりつつあります。そして、昨シーズンから何度も同期で話をしていたア女の良さは消えつつあります。(と私は思います。)誰がチームを作るべきなのでしょうか。ア女らしさとはなんでしょうか。結果を出せばそれで良いのでしょうか。私は、部員として、選手として、主務として、4年として、このチームをどうしていくべきなのか正解がわかりません。今まで過ごしてきた3年間とはまるで違います。だからこそ監督が重要。そうではないのです。ア女の場合、それで終わる簡単な話ではないのです。これはただ単に変化に納得できない話ではありません。これからのア女を左右する大事な岐路に立たされているとさえ感じます。もちろん前向きな変化もあります。答えを急ぎすぎだと言われたこともありました。しかし、世界中が前代未聞の大混乱に陥っている中、何もできないまま静かに私のサッカー人生は終わろうとしています。結果が見えてきてからでは遅いのです。これからのア女はどうなっていくべきでしょうか。本当に目指すのはサッカーに全てを捧げ最強を目指すクラブでしょうか。

確かに、これまでのア女はどこか「やり切れなさ」が残るチームだったかもしれません。その一方で、学生がチームを作ることによるメリットもたくさんありました。今はどうでしょう。
頭脳に頼りきっていないか。
練習の雰囲気を作っているのは誰か。
サッカーばかりになっていないか。
大学サッカーからなでしこを目指す人も、久しぶりにサッカーをやる人も、サッカー人生の締めとして部活を選ぶ人も、サッカー以外で頑張りたい人も、どんな人の価値観も否定されない特殊な場所が大学部活動だと私は思います。だからこそ、早稲田大学が掲げる学生主体が重要になってくるのではないでしょうか。

今、こんなことを長々と語る理由はいろいろありますが、主な理由は自分自身の反省と関係者への問題提起です。決意表明でもあります。

これもある人のブログに書いてあったことですが「自分にベクトルを向ける」ことがいかに重要かを私も懲りずに忘れていました。サッカーを通して何度も気づき、忘れては気づかされるということを繰り返してきたはずでした。立場や目的が変わったときそれを生かせなかった。何ができるかではなく何をするか。そのような思考にならず行動に移せなかった私はまだまだです。
私は、ア女らしさを良い形で残していくことに全力を尽くします。時には戦うことも必要でしょう。やりますと言うのは簡単です。やり続けることも習慣化されればできなくはないでしょう。何より難しく重要なことは、それほどの思いを具体的にして抱き続けることだと思っています。

やるしかない、やらなければならないと今気づけたことがせめてもの救いです。今頃実感する4年としての責任。頭でわかってはいたものの、いざ感じてみるとそれはとてつもなく大きく重いものです。
そして気がつけば4月も終わりに近づき、サッカー人生も残すは最大でも8ヶ月弱。
15年×12ヶ月=180ヶ月
そのうちの最後の8ヶ月になってもやるべきことは山積みです。

選手として、人として何を積み上げていくか。ア女に何を残し、後輩に何を伝えていくか。ただ過ごすにはもったいなすぎるこの環境で最後の8ヶ月、ア女に関わる全ての人にとって意味のある期間にしていけたらと思っています。

長く拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

明日の担当は、私が昨年度ものすごくお世話になり、とんでもなく迷惑をかけ、感謝してもしきれないほど私のミスをカバーし、時には励まし、小さな疑問にも耳を傾けてくれた熱い心を持つ選手です。

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以上です。
明日もお楽しみに。
阪本