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「ア女にいる私」vol.25 黒柳美裕

本日の担当は、3年生黒柳美裕です。

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チームを救う点取り屋、かつ むちゃぶりモンスター の高橋雛から、部員ブログリレーのバトンを受け継ぎました。3年 黒柳美裕です。
私はこのア女日記「ア女にいる私」を書くにあたり、何を書いたら良いのか非常に悩みました。
私にしか発信できないこととは何か。
ありのままを書けばいいよと言ってくれた同期の言葉を聞いて”良いこと”を書こうとしていることに気づきました。
言葉にするということはよくしているのですが、人に読んでもらうことはないのでドキドキしています。
ありのままを書きます。
拙い文章ですが、最後まで読んでいただけたらなと思います。

大学に入ってからの2年間、怪我が多くサッカーをするよりもリハビリをする期間の方が長かったです。
高校まではコンスタントに試合に出させてもらっていた私は、日本のトップレベルと言われる人たちが多くいるア女でプレーし、その中でも試合に出て活躍したいというチャレンジの気持ちで大学を選びました。
努力すればきっときっと達成することができる。
積み重ねれば必ず結果に繋がると思っていました。今までもそうだったからです。
ですが、試合に出るなんて夢のまた夢でした。

そもそもサッカーができないから。

 リハビリ期間は、不自由なことが増え、当たり前が当たり前でないことに気付かされます。
いかに日常が有難いものであるか感じ、自分の足りない部分を知れたり、そこから新しく知識を得ることができたり、自分自身にフォーカスを当てるきっかけになります。
何度もリハビリ期間を経験した私は、入部時に比べ人間味のある人になったのではないでしょうか。
相手の気持ちを考え優先してばかりで 自分は?という問いにつまづく私。
気づかないうちに下手な愛想笑いをする私。
嫌われないようにが行動基準な私。
そんな私はもういません。
経験や知識をアウトプットしてくれ、沢山考える機会を作ってくださったNN子さんK子さん本当にありがとう。

その他にもトレーナー・マネージャー・リハメンバーという様々な立場の人の様々な想いを知ったり、私たちがいかに素晴らしい環境のもと活動させていただいているのかを知りました。
大学のクリニックや理学療法士の方。毎日のようにリハメニューを更新してくださったり、メンタルケアをしてくれるトレーナー。鍛えれる部位の補強メニューやフォーム改善をしてくださるフィジカルコーチ。上げ出したらキリがないくらい多くの人支えられていました。
本当にありがとうございます。
(これからはお世話にならないように最大限に努めます。。)

そして何より、ひと回りもふた回りも成長してピッチに戻ろう、ピッチに戻ったときはこういうこともできるようにしよう、鍛えれるところは鍛え尽くそう。
サッカーはできないけれど、他のところで少しでもプラスなものにしよう、差をつけよう。
家族に心配かけている分、試合に見に来てもらえるように早く復帰したい。
そんな気持ちでいました。

 2年生になって、リハ組になったときフォーカスを当てる対象が自分だけではなく、どうしたらチームのためになれるのかということを考えるようになりました。
チームから任せられた自分の役職を全うすることはもちろんのこと、それ以外で何が出来ないかということです。
サッカーが出来ないということは、試合に出て勝利に貢献することや上手くなっているという感覚を得ること、点を取る、無失点に抑えるなどと言った目に見える形での結果や評価を得ることが出来ません。
だからこそ、リハ組である私のサッカーにおけるチームへの貢献の仕方は、1日でも早く復帰することだと思います。
ですが私は、朝早くきてケアをしてメニューを始め、練習中はもちろん、練習後も残ってと、どれだけリハビリに取り組んでもチームに貢献出来ている気持ちにはなれませんでした。
リハをする私にとってそれを感じることができない日々は、辛かったです。

正しく言えば、結果や評価を目に見える形で感じることが出来なかったことが、辛かった。

“ア女にいる私”が認められていない気がしたから。

きつくて苦しい練習やバチバチしたゲバ、得点後に集まって喜ぶみんなをピッチの外から見ては、羨ましく思い、それと同時に遠い存在に感じていました。
“サッカーをする”というみんなと共通のものがなくなったことで私自身の存在がなくなることを恐れていたからだと思います。
チームのためにチームのためにと考えることで自分の存在をいていいものにしたかった。

 少しでもチームの役に立ちたい、チームに貢献したいという思いをもつ私が見つけた貢献の仕方は、積極的に第四審判をやる、動画を撮る、ゴミを捨てる、掃き掃除、とにかくどうにかして自分にしかできないことを今の自分だからこそ出来ることを。だけど全然思いつかないんです。
サッカーを失ったとき自分自身がどれだけア女の中で、”サッカーをすることでしか貢献できない人”であったかを痛感しました。

気づけば、全て形に見えるものでした。

もちろん、私が私なりに考えて行った貢献の仕方は決して間違ってはいなかったと思います。
たけど、目的が違いました。

私がそれに気づけたのは、木鶏会のおかげです。(致知という雑誌の中から全員同じトピックを3つ読み、その中から選んで感じたことを言う、それに対して感想を言うといったようなもののことです)

木鶏会の日、私自身が見える形でしかチームに貢献していないことに気づいたということを発表しました。
私の予想とは大きく異なる言葉がたくさん返ってきました。
その時、私ア女にいてもいいんだ。サッカーできてなくても私の日常の行動やリハビリに取り組む姿、当たり前を徹底しようと行動に移したこと、貢献しようとしてした行動でなくても、些細なことでも貢献することが出来ていたんだと知れました。

それから、認められる・認められないなどといった他者からの評価や形として見えるものによって自分を判断することをやめました。

私がア女に存在していることは、サッカーだけでしか表せられないわけではないこと。
目に見えない形でも、見てくれている人はいること。
チームに貢献するという枠を超え、地域、女子サッカー界、様々な視点から行動を起こすことができる環境にあること。
それを体現している組織が身近にいて発信し続けていること。

サッカーがなくなった時の自分がいかに魅力的ある人になれるかということの重要性に気づきました。

そして今、誰もがその状況にあります。
自分自身にフォーカスを当てることはもちろんのこと、もっと大きな枠で考えてみるのはどうでしょうか。

なぜスポーツをしているのか。
なぜ今の大学の部活動でなければならかったのか。
この状況が長引くかも知れない、予定通り行かないかも知れない、その時はどうするか。

これは私が考えた問いではなく、様々なセミナーや始めたばかりの就職活動の際に言われた問いです。

今この状況になったから、取り組めたことがあります。考えること、行動に移すことを継続し、日常に感謝することを忘れないでいたいです。

今年のア女には理念があります。
・女子サッカー界をリードする存在になる。
・人に良い影響を与え続ける。
です。

ア女のみなさん
この理念をすぐに口にすることが出来ましたか?

日本一になる、関東リーグで12連覇する、という目標やそれを達成する方法は今後の状況によって変わってしまうかも知れません。
ですが、絶対にこの理念は変わりません。
どんな状況であってもです。
だからこそ、今、考えてみてほしい。
自分がどうありたいか。
仲間にどうあってほしいか。

練習が再開するまでにできる事は、トレーニングだけではありません。
コミュニケーションを取ることもお互いの考えを理解し合うことに繋がります。
そして、全員が自分なりの解釈で、噛み砕いて、理念を理解することが必要だと思います。
目標だけをみていたら一喜一憂してしまうし、目標がなくなった時、見えなくなった時、あるべき姿を見失ってしまうからです。

このことを学んだのもつい先日のセミナーです。
このセミナーの後、参加した同期と自分たちがどうありたいかについて語りました。そうしたら、4年生の考えた理念にたどり着きました。
何をすべきか。
たとえルートが違うくてもきっと見えてくると思います。

今私がみんなに伝えたいことを伝えようとしたらとっても長くなってしまいました。話がそれてしまってごめんなさい。

最後になりましたが、医療現場の最先端で闘ってくださっている医療従事者の皆さん、最低限の生活をするために働いてくださっている皆さんに心から感謝申し上げます。

私たちは私たちにできることを徹底してやっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次は、普段とプレー中のギャップが素敵で、ア女1アーティスティックな とみーさんです!
普段話を聞いてもらうことが多いのでとみーさんの想いを知れるのはとても楽しみです。

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以上です。
明日もお楽しみに。
阪本