diary-women

『10番』村上真帆

1年生から読んできたこの4年生の想いも、
ついに自分が書くときが回ってきてしまった。
時が経つのってほんとに早い。恐ろしい〜。

私には、すごくすごく尊敬する先輩がいる。
そしてその先輩もア女で、
私と同じ、背番号10番をつけていた。
入学前のインカレ決勝で、その先輩は決勝ゴールを決めた。
そのゴールに鳥肌がたったことを今でも鮮明に覚えている。

私がア女に入部してから、
その先輩のプレーを間近でみれるようになった。
先輩のピッチでの存在感ははるかに想像を越えていた。
チームが苦しい時には点を決め、
みんなに頼られていた。
ほんとにかっこよかった。かっこよすぎた。
一緒に試合に出た時は本当に楽しかったし、
一緒に試合に出ていても見惚れてしまうほどだった。

私もあの先輩のような存在になりたくて、
必死に努力した。
人一倍練習した。

けど、
その先輩と出会ってから4年が経ったいま、
未だに先輩のような存在にはなれていない。
なんなら、サッカー人生が終わるまでに
なることってできるのかな?
とも思う。

点が取れなかった時、
あの先輩なら決めてたよな。
試合に負けた時、
あの先輩がいればなんとかしてくれたよな。
負けなかったよな。勝ってたよな。
いつもそう思ってしまう。

皇后杯関東予選決勝で負けた時、
皇后杯2回戦で負けた時、
後輩たちが泣き崩れているのをみて、
私がしっかりしないから負けたんだと、
私はなにをしていたんだと、
そう感じた。

そして、
10番を背負うってそういうことだよ、
と改めて気付かされた。

初めて10番のユニフォームをもらった日の、
10番にふさわしい選手になると思った日の、
その時の気持ちを思い出させてくれた。

頭で分かってはいたけど、
分かっていたつもりだったけど、
10番を背負う覚悟と責任が全然足りてなかった。

もっとやらないと。
もっともっと頑張らないと。
もっともっともっと必死にならないと。
後輩を泣かせるんじゃないよ。

私は、もうそろそろア女を引退しなければならない。

みんなと大爆笑して転げ落ちた日も、
急いでシャワーを浴びた日も、
差し入れをこれでもかってくらい持って帰った日も、
もういいでしょってくらい写真撮った日も、
みんなでサッカーに全力で打ち込んだ日も、
みんなと必死に身を削りながら闘った試合も、
試合に勝ってハイタッチして抱き合った日も、
もう戻ってはこない。

コロナで活動自粛になっても、
みんなとサッカーできる時間が短くなっても、
その分の期間が延長されるわけでもないし、
その分の試合数が増えるわけでもないし、
その分もっとみんなと一緒にいさせてくれるわけでもない。

みんなと、
飽きるほど毎日顔を合わせてるはずのに、
飽きるほどしゃべってるはずのに、
飽きるほどサッカーしてるはずのに、

時間が過ぎていけば過ぎていくほど、
もっともっとみんなと強くなりたい、
たくさん試合に勝ってみんなと喜びを分かち合いたい、
この想いがどんどん強くなる。

それは、
こんなにも素敵な環境、素敵なスタッフ、素敵な仲間に
恵まれているからだと思う。

いつも笑顔で励ましの声をかけてくださった塙さん。
怪我人を親身になってサポートしてくださったみずほさん。私自身直接関わることが少なかったのは、いいことなのか悪いことなのか、難しい問題です。
私が体調を崩した時はすごく助けてくれて、遠征の時は栄養面からサポートしてくださった青木さん。
練習後の自主練で、いつもナイターが消えるまでシュート練習に付き合ってくださった内田さん。
新しい考え方や、チームの雰囲気作りなど、メンタル面からサポートしてくださったふみさん。
アジリティ能力を上げたり、走るのが速くなるために、たくさんの指導やアドバイスをしてくださった西岡さん。自分で言うのもあれですけど、1年生の時と比べるとほんとに速くなったと思います。
私が怪我しないために、ベストコンディションでサッカーができるように、ケアしてくださったべーさん。4年間で股関節すごく柔らかくなったもんね。
ポジショニング、ボールのもらい方などの技術的な指導、ボランチの全てを教えてくださった杉山コーチ。もっともっと教えてほしい。キャパオーバーになるくらい。
サッカーを、仲間を愛することがどれだけ大切か、そして、サッカーを、仲間を愛することができるってどれだけ幸せなことかを教えてくださったあやさん。個人的に、あやさんの考え方と似てる部分がたくさんあって、すごく嬉しい。けど、私はボールじゃないです。蹴るもんじゃありませんよ。

毎日部荷物の準備から片付け、
管理までしっかりやってくれる1年生。
いつもキラキラした笑顔でおはよう!って言ってくれる。
そして試合でも本当に助けてくれている。
ほんとにほんとに頼もしくて、頼もしすぎて、
どっちが年上だよってくらい頼ってばっかだよ。

サッカーが大好きという気持ちが溢れ出る2年生。
それをプレーや声掛け、ミーティングはもちろん、リハビリでも、
いろんな形にして表現してくれる。
みんなが言うことや、やること、
みんなのプレーにすごく刺激もらってるし、
2年生が頑張ってくれてるんだから、
自分ももっと頑張んなきゃ、って思わせてくれる。

ほんとに正直に言うとね、
最初はこの学年とはあんま仲良くなれないかもって思った3年生。
ほんとごめんね。
けど今なら堂々と言える。誰だそんなこと思ってたやつ?って。
ほんとに切磋琢磨しあえる仲がいい学年だし、
このチームにとって何が必要か、何をするべきかを、
一人一人考え、行動してくれてる。

そして癖でしかない4年生。
この年に生まれて、8人の同期と出会えて、一緒に4年間過ごして、
多少うざい時やだるい時もなかったとは言えないけど、それすらも愛を感じる。
みんなの言うことは説得力あるし、ほんとに高めあえる存在だった。
1年生の時は学年会すら誰もやろうとしないし、
ようやく1年経って初めてやった学年会もすごくつまんなくて、
ほんっっとにどうなることかと思ったけど、
今ではもう笑い話だね。
これ以上ないくらい幸せな同期に恵まれたと思う。
早稲田を、ア女を選んで心の底からよかったなと思う。

ほんとにみんないつもありがとう。
スタッフの方もいつもありがとうございます。
みんながいてくれたから、
こんなに毎日が楽しいって思える。
感謝してもしきれないよ。

みんなおもしろすぎて、最高な人たちすぎて、
なんの組織に属してるんだっけ?
と思うことも多々あった。
なにをやるにしても究極を求めすぎてて、
サッカーでもそれ以外でも
常に上の上のはるか上を目指している。
この人たちは限界という言葉を知らない。

そんなみんなとだからこそ、
1試合でも多く試合がしたいし、
1日でも多くみんなと一緒に過ごしたい。
そして最後は、笑って終わりたい。

だから、
最後の最後まで走ります。
最後の最後まで声出します。
最後の最後までもがきます。
最後の最後まで必死に頑張ります。
10番を背負う覚悟と責任をもって。

絶対、優勝しようね!!!!!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

圧倒的運動量と倒れないフィジカル、
ゲームをひっくり返す展開力で
1年生からチームを支えてきた彼女。
賢く、熱く、それでいて
勝ちに貪欲な姿勢が
プレーにも人格にも現れている。
4年間の集大成として、
ア女の10番として、
ピッチの中心で、
笑顔の裏に隠された熱い想いを
爆発させてくれるだろう。

以上です。
次回もお楽しみに!