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『後悔はない』鈴木佐和子

いいチームって?
負けないチームって?
優勝できるチームって?

3年生の後半に考えたことだ。
怪我でサッカーから離れて、
考え始めた『チーム』
正直サッカーから離れた私にとって優勝はそれほど重要ではなかった。
優勝よりもチーム全員がやり切れない状態でシーズンを終えるのが1番嫌だった。
見ていて腹が立った。

優勝なんて簡単にできるものじゃない。
優勝なんて簡単に口にして良いものじゃない。
でも、ア女は毎年、優勝することを目標に掲げる。

掲げたなら
もっとやればいいじゃん。
言い合えばいいじゃん。
ぶつかればいいじゃん。
と思って、全体MTGで思いを強くぶつけた。

結果、チームは混乱。状態は最悪。
でも、間違っているとは思わなかった。
これを乗り越えれば強くなれる、
優勝できると思ってた。期待してた。

『インカレ準優勝』

あー。ダメだったか。
チームに期待しても優勝はできない。
期待してダメなら、チームを根本から変えよう。
ア式蹴球部って4年がチームを作る文化があるし、主将になればチームの中心にたてるのでは??

「ア女を変える」
これが主将になった理由だ。
これまでア女での経験から1年間の流れは理解してた。
シーズン始めの雰囲気がベースとなり
関東リーグ開幕で徐々に一体感が生まれ
5月の合宿でただサッカーをやる雰囲気になり
夏合宿でまたチームの熱量が上がる
そして関カレ開幕は良い出だしだが、徐々にこなすだけの試合になる。
皇后杯が始まる頃にはチームが二極化
インカレ始まる直前になんとか持ち直し
決勝戦まで突っ走る。
まずこの流れを変える必要があると思った。

2020シーズンが始まってサッカー中心の生活。
選手の頭の中はサッカーでいっぱいいっぱいだった。
サッカー以外のことを考えている暇なんてない状態だった。
突っ走りすぎてるなー。そろそろセーブしないとみんな壊れるなー。と悩んでた3月。

そんな時自粛生活が始まった。
正直、よかったと思った。
確かにサッカーができないのは悔しいし、やりたい気持ちはあった。
でも、サッカー以外でチームとして大切なものをみんなに考えてもらうにはこの期間は必要だと思った。
オンラインMTGで今年のチーム方針を伝え、それに答えてくれるかのように各々が様々な行動をしてくれた。とても嬉しかった。軌道修正できたと思った。

そして自粛生活が明けて練習再開、関東リーグが開幕。
みんなのプレーが少し変わってた。
頭がいっぱいになって、迷いながら、正解を探してプレーしていた3月とは違って、
何か吹っ切れて、サッカーの楽しさを思い出して、生き生きプレーしていた。
そう、それだよ。
サッカーってそういうものだし、それを積み上げた方が絶対良いじゃん!
練習の基準ができたと思った時期だった。

この基準を積み上げて行けば良いと思ったが、
毎日積み上げることは
できそうだけど、とても難しかった。

関カレ第二節vs筑波大学0-1敗戦

うそ。ここで負けるの?
予想外の敗戦だった。
今まで勝つためにやってきたことが間違いだと思った。
そこから、敗戦した原因を探すために
チーム全体と一人ひとりを観察する毎日だった。
チームとして何がダメだったのか。
あの選手は何を思っているのだろうか。
そして、私は何をすればいいのか。
観察して、考えての繰り返し。
それに加えて
週末の試合から逆算してチームのモチベーションをどうやって持っていくか試行錯誤してた。
対戦相手は?
今週のみんなの状態は?
様々なシチュエーションを予想して、
不安要素があれば一つひとつ潰して。
なんとか今日を、今週を
乗り切るのに精一杯だった。

この時期からア女にいることが苦しかった。
本来主将としてやりたいことはほとんどできていないし、ア女を変えたいと思ってたけど何もできない。
やりたいと言ったのは自分なのに、それができない自分に情けなさを感じた。

そして周りからは
「こんな状態で優勝できるの?」
「この雰囲気でいいの?」
「もっとやることあるんじゃない?」
「佐和子はどんなチームにしたいの?」
と言われる。

そんなのわかってるよ。
ずっと前から気づいてるよ。
何をすればいいかなんてわかってるよ。
全部後ろから見えてるよ。

正解なんて誰にもわからないはずなのに
正解を求められることが苦しかった。

私は間違い、悪い状況にしないことしかできない。

今でも個人的に皇后杯二回戦敗退から切り替えられていないし、不安に押しつぶされそうになる。
また負けるんじゃないか。
また後輩を泣かせてしまうんじゃないか。

1年間の流れの9割を終えた。
これまでやってきたことが良かったのかもわからないが、最後、残りの1割を終えた時に
全員が笑ってくれればいい。

優勝したい。のではなく、
優勝するために、
残りの期間でできることを
“主将 鈴木佐和子“
としてやり遂げたい。

長く拙い文章でしたが
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ア女の応援よろしくお願いいたします。

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“優勝したい。のではなく、優勝するため”
彼女は”願う”のではなく
“実現する”ために行動してきた。
分析力に長け、前提を問うことのできる彼女は
主将として、チームの、仲間の、自分の、
事実とひたすら向き合い、分析し、
改善するためもがき続けた。
彼女が積み重ねてきたことは紛れもない事実であり、
確実に優勝を掴む為の力へと変わってきている。
ひとりじゃない。
全員で、笑って終わろう。

以上でインカレ特集〜四年生の想い〜は終了です。
お付き合い頂きありがとうございました。
インカレまであと11日、全員で”頂”を掴む為
今日も全力で挑戦し続けます。
引き続き、ア女の応援、よろしくお願い致します。