diary-men

「強く生きる」2年・谷口智洋

 

🌟谷口智洋(タニグチ トモヒロ)
⚽️和歌山大学教育学部附属中学校 → 近畿大学附属和歌山高等学校

 


 

 

「サッカーはもう辞めよう。」

…どこかで見た始まりだ。
10/5の清水駿の日記と被ってしまった。
内容は違うので許して下さい、清水。

 

話を戻すと、選手権の県予選決勝で、私はPKを献上してしまった。その結果、0-1で敗れて全国大会に出場することができなかった。
それと同時に高校サッカーの引退が決まった。
今でもその時の光景が頭から離れない。
監督やチームメイトは多くのものを犠牲にし、サッカーに力を注いでいた。そして、多くの人が応援してくれていた。
それを自分が全て無駄にしてしまったように感じた。後悔してもしきれなかった。
サッカーから離れようと思った。
しかし、監督に「大学サッカーは人生の中で今しかできない。目の前に2つの道があるなら、茨の道を進め。」と言われ、サッカーを続ける決意をした。
それが自分の成長に繋がると思ったから。

高校のサッカーノートの最後のページには、
「ありがとう」と「思いやり」
という監督からのメッセージが残されていた。

 

高校時代、「素晴らしい人間、素晴らしい選手ならどうするか」を常々問われてきた。その問題のヒントとなるのが「ありがとう」と「思いやり」である。
「ありがとう」という5文字には、非常に大きな力が秘められている。人々の幸せを深める言葉である。些細なことでも「ありがとう」と伝えられる人間でありたい。
また、「ありがとう」の反対語は、「あたりまえ」である。私たちの日常には、あって当たり前に思えることが多くある。
しかし、自分が見えている世界は非常に小さいものだ。
世の中には、その当たり前を作ってくれている人が数え切れないほどいる。そのことを意識するだけでも日々の言動は変わってくる。いろいろな人の立場に立って物事を考えることができてくる。
それが「思いやり」にも繋がってくる。

 

大学に入り、ア式蹴球部として活動し始めて、もうすぐ2年の月日が経とうとしている。
大学サッカーには各個人が様々な想いを持って集まってくる。そして1つのチームとなり、同じ目標に向かって進んでいく。
その中で、組織に埋もれてしまってはいけない。
周りに流されてはいけない。
自分の意志を持ち続け、信念に従って行動し続けることで初めて、個人としての存在意義が示される。

 

大学を卒業すれば、これまで続けてきたサッカーから一度離れることとなる。だから、今度こそ悔いのないものにする。私の周りには、壮大なビジョンを持った人がたくさんいる。このような同期に出会えただけで自分にとっては財産である。その上、共にサッカーができるのは非常に恵まれたことだ。
だからといって、この環境に甘えていてはいけない。
感謝の気持ちなど様々な想いをプレーで表現し、さらに上のカテゴリーでサッカーをするためにスキルアップしていく。
また、ア式蹴球部という組織がより大きく、より多くの人に愛される組織になるように残りの2年間努めていく。
私たちの代がア式蹴球部のターニングポイントとして大きく飛躍できるように。
2年後、この道を選択したことを心の底から「間違いじゃなかった、良かった」と思えるように。

 

この先の人生、多くの選択を迫られることになるだろう。
大事なのは、どんな選択をするかではなく、自分が選択した道をどれだけ強く生きることができるかである。
これからも「ありがとう」と「思いやり」を忘れることなく、心に刻み続ける。
そして、自分がより成長できる道を選択し、失敗を恐れず強く生きていく。