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第7回早稲田カップ powered by adidas開催!

今年も早稲田カップを10月31日、11月1日と陸前高田市にて開催しました。

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岩手県から6チーム、宮城県から2チームの少年サッカーチーム、そして、アディダス、高田クラブ、高田高校、ア式蹴球部が成人の部として参加し、サッカーを通じて交流を深めました。23名の部員が8チームそれぞれにコーチとして参加し、多くの時間を子どもたちと過ごしました。
また、成人の部では社会人の方と真剣勝負を行い、高田高校の高校生とは部員が日々行なっているトレーニングを体験してもらいました。
この早稲田カップも2012年から始まり、合計7回目になります。数を重ねる毎に、陸前高田や気仙沼の子どもたちとの絆は深まり、地域の方はもちろん我々部員もより充実した時間を過ごせるようになってきました。アディダス・ジャパンの皆様のご協力もあり、大会として、より一層素晴らしいものになったと感じています。
これからも、継続してア式蹴球部として復興支援を行なっていくとともに、多くの方を巻き込みながらこの活動を発展させていきたいと思います。

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競技スポーツセンターの橋谷田さん、陸前高田市サッカー協会の皆様、アディダス・ジャパンの皆様、大変お世話になりました。ありがとうございます。
そして、指導者の方、保護者の方、暖かい目で我々部員を見守って下さりありがとうございます。
最後に、大会に参加してくれた子どもたち、ア式蹴球部はみんなのことを絶対に忘れません。来年もまた元気な姿を見せに来てください。

以下、部員のコメントです。各々が何をこのボランティアで感じ取ったのか、ぜひお読みください。

【4年 登内麗音】
今回私は、初めて早稲田カップへ参加させて頂きました。
初めて行った私にとって、予想していた以上に復興が進んでいない街並みや未だに残っている津波の爪痕は衝撃的なものでした。そして早稲田カップでは子供たちや大会を開催する為に尽力して下さる地域の方々との触れ合いを通し多くのことを感じ考えさせられた2日間となりました。
そして何より帰り際に部員達から「次もボランティアに参加したい」、「またこの土地に来て何かしたい」という声がたくさん聞こえ、今回の活動が部員皆の成長にも大きく繋がったのではと感じました。
この2日間感じたこと考えたことをそのままで終わりにせず、次の行動に繋げてこそ今回ボランティアに参加した意味があるのではないかと思います。
私自身はア式蹴球部の活動としてまた参加することは出来ませんが、社会人になった後も今回感じた思いを大切に過ごしていきたいと感じています。
最後になりますが、今回このような機会を与えてくださった全ての方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。

【3年 東浦壮一朗】
 今回の陸前高田ボランティアは私自身、被災地には3回目、陸前高田には初めての訪問でした。
以前の2回のボランティアでは、ボランティアに向かう側、支援側として何か被災地の人たちの助けになる事、心に残る事などを行おうとしていましたが帰り道には自分が逆に勇気付けられていました。エネルギーをもらったと感じ、ありがたくも思いながら情けなさ、不甲斐なさも感じていました。
なので、今回は深く気負いせず、現地の人たちと共にサッカーを楽しむ事。また、震災から4年が経ち少しずつ忘れ去られようとしている現地の声、生の声を帰ってから周りに伝えられるように話を聞く事を考え訪問しました。
サッカーを楽しむ目標は、子どもたちの笑顔や真剣な表情、指導者の方々の愛情に溢れた眼差しに包まれたグラウンドにいるだけで私も笑顔がこぼれ、共に勝利を目指し大会に臨むことで達成できました。
現地の声を聞くことは、デリケートな問題でなかなか難しく、子どもたちには聞けず大人の方々にもこちらから安易に話題を振れませんでしたが、昼休みの中のふとした会話や交流会で向こうの方からお話を聞く事ができました。
確実に復興は進み、以前よりは格段に良くなってきてはいるがやはりまだ完全復興ではなく、満足のいく状態ではないという事でした。
住居もまだ仮設住宅でいつか立ち退かなければならない不安、立ち退きの期限が迫り今後に対する悩み不安を抱える商店街があることもおっしゃっていました。
とにかく震災の事実を忘れないでほしいという想いがひしひしと伝わってきました。
マスコミなどの情報源も震災直後に比べると、なかなか報道されず忘れ去られようとしている中でのこういった真実の声は我々が確実に伝え広げなければならないと感じました。
震災の風化は決してあってはなりません。ボランティアとはいえ少ししか役に立てていない私たちに必ず「ありがとう」と声をかけてくれる陸前高田の方々の優しさ、温かさを伝えていかなくてはならないと深く痛感させられた2日間でした。

【4年 牟田翼】
東日本大震災から約4年8ヶ月。これまで3度訪れていた東北も少しずつ復興の兆しが見えてきたように感じました。
早稲田カップも陸前高田、気仙沼を合わせ、7度目の大会でした。今回、自分は鬼柳SSSのコーチをしました。鬼柳は昨年、一昨年も担当し、すごく思い入れのあるチームです。2年前はただただやんちゃなだけであった子も試合になってプレーをしている姿をみるとたくましく成長していて、キャプテンをしていた子がチームをまとめる姿もこれまでにはなかった様子で感動しました。
また、競技スポーツセンターの橋谷田さん、松本さんをはじめとする陸前高田市サッカー協会の方々には本当にお世話になりました。当日の大会までの準備など、自分たちがこのような貴重な活動を続けていけるのもこのような方々がいらっしゃるおかげで、毎回感謝してもしきれないです。
自分で直接、被災地を見てきたこと、感じたことをこれからまわりのひとに伝えるていくことが大事だと思っています。復興のかたちは人それぞれあって、まだ模索中ではありますが、これからいろんなかたちで関わっていくことで最善の関わり方を自分なりに見つけたいと思います。

【3年 鈴木崇文】
陸前高田のボランティアは今回で2回目の参加でした。やはり、今年も子ども達から元気を貰えた量の方が多いボランティアになりました。
子ども達は純粋にサッカーを楽しんでいて、直向きに一生懸命サッカーをしている姿を見ていると、自分はもっと頑張らなければいけないと思えました。また、「大学サッカー頑張ってね」と声を掛けてもらえてとても嬉しかったです。
そして、自分が担当した和賀FCが優勝出来た事もとても嬉しかったです。この勢いで関東リーグ制覇、インカレ優勝できるよう、そこに自分が貢献できるよう日々の練習を無駄にせずに感謝の気持ちをもって取り組んでいきたいです。

【4年 山本有一】
今回で5度目の被災地訪問となり、初めて陸前高田市に訪れてから2年以上の年月が経ちました。
2年前には道路に大型船が乗り上げられ、津波に流された民家の残骸や瓦礫が至る所に見受けられました。
現在、その街並みや景色は徐々に変わりつつあり、民家の跡地に盛土で高台を作っていたり、グラウンドのすぐ横に三陸道が建設されていたりと、少しづつ復興が進んでいるのではないでしょうか。
だからこそ、このように毎年早稲田カップを開催し、地元の人々や子ども達と共に時間を過ごす大切さを感じました。
毎年早稲田カップに参加しているサッカー少年達を見ていると、子ども達の成長スピードに驚きを感じます。
可能性と希望に満ち溢れた子ども達のためにも、サッカーを通じて成長の手助けをし、その憧れのお兄さんとして、またア式蹴球部員としてサッカーで結果を出さなくてはいけないと強く感じています。
今年もあと僅かとなりましたが、お互いにとって最高の1年となるよう努力致します。

【4年 川井健吾】
 今回で陸前高田での早稲田カップに参加するのは3度目になりました。
昨年、一昨年は小学生チームのコーチをしましたが、今年は大会を俯瞰して見てみたいという思いから本部の運営の仕事をしました。仕事をしていく中で感じたことが2つあります。
1つ目はサッカーの素晴らしさです。最初に会った時の子ども達と部員のぎこちない関係がサッカーを通じてどんどん仲良くなっていく様子や、必死でボールを追いかける子供達を応援する保護者の方々、勝負に一喜一憂する子供達の姿を見てサッカーの持つ素晴らしさを改めて感じました。
2つ目は自分自身についてです。陸前高田に向かうバスの中で就職先が決まっている中で震災が起き、就職先を退職し被災地のために尽力されている人の話を聞きました。また大会を開催するために会場の整備や準備をされている人生の先輩方の「誰かのために」働かれている姿をみて、自分自身は今誰かのために動けているのかと考えさせられると同時に、そのようなことを今からやっていきたいと思いました。
昨年見た被災地よりも新たな宅地が開発されていたり、高速道路が建設されていたりと復興は着実に進んでいます。一方で被災地に関する報道は減り徐々に風化が進んでいることも事実です。部員としてこのような形で復興支援をするのは最後になるかもしれませんが、自分に出来ることを今後もやっていきたいと思います。
最後にこの場を借りて、この早稲田カップにご協力頂いた全ての方に、感謝を述べたいと思います。ありがとうございました。

【1年 直江健太郎】
今回のボランティアは自分たちから被災地の方々に元気や勇気を与えるものだと思い込んでいました。しかし、実際はその逆で自分たちが与えた以上の元気や勇気をもらいました。子ども達が無我夢中でボールを追う姿を見ると、サッカーの原点とは何かを考えさせられました。トップチームへの昇格、チームの勝利、これらは絶対になくしてはいけない目標だと思います。ただそれらに執着しすぎ、サッカーを楽しむということが疎かになっていたかもしれません。人を思う気持ち、本気の中から見出される楽しさ、これらなくしてサッカーをプレーしても、何も得ることはできないでしょう。もう一度、自分が何のためにサッカーをしているのかを自分自身に問いかけながら1日1日を過ごしていきたいです。

【1年 冨田康平】
被災から数年が経ち、知らないうちに忘れかけていた東北大震災のことを今回のボランティアで改めて忘れてはいけない、自分たちももっと何か働きかけなければならないと思いました。また元気いっぱいで純粋にサッカーを楽しんでる子どもたちと2日間サッカーをして、自分がたくさんの元気をもらいました。ありがとうございました。

【1年 高岡大翼】
私は今回の早稲田カップを機に、初めて被災地に訪れました。現地に着いて、街が綺麗に消えている現状や、津波の影響でボロボロになった建物を見て、「自分がここに住んでいたらどうなっていたんだろう。」と考えると、頭が真っ白になりました。
僕は寮に住んでいて、目の前にサッカーグランドがあり、いつでも大好きなサッカーをすることができます。でも、「この環境は決して当たり前のことではない」ということを、改めて痛感しました。
また、子供たちとサッカーをする中で、逆に勇気や元気をもらえました。グランドもあまり無くて、なかなかサッカーのできない子供たちが、無邪気に本当に嬉しそうにサッカーをしている姿を見て、サッカーというスポーツの本質を見た気がします。
被災地の方々の、必死に復興を目指し、一生懸命に生きている姿に、大きな勇気をいただき、とてもよい経験になりました。

【1年 平岡拓己】
まず、私がこの活動に参加しようとした理由は、以前は震災についてどこか他人事のように考えてしまっている部分があり、被災地を訪れ直接的に見聞きし、様々なものを感じたいと思ったからです。
そして、コーチという立場でチームに関わらせて頂いた中で、震災にあった子供達が笑顔で一生懸命にサッカーをしている姿を見て、沢山の刺激を受け、学ぶことができました。一方で、スポーツの素晴らしさというものも改めて実感することができた。
また、最後に訪れた仮設商店街で相席させて頂いたご夫婦の方から震災のお話を聞き、この震災を一生忘れてはならないと感じました。
この活動で経験したことを今後に活かしていくとともに、小さなことでも復興の役に立てるような活動を続けていきたいと思います。

【1年 井上純平】
私は今回の陸前高田復興ボランティアを通して様々な事を感じました。被災地に行くのは今回が初めてで衝撃の連続でした。街中に津波の高さが記してあり、その高さは想像をはるかに超えていました。さらに、震災から5年近く経った今でも震災の面影が残っており、住宅地だった所は荒地のままでした。正直もっと元の姿に戻っているものだと思っていました。それが今なお工事中であったり何もない景色が広がっていました。5年近く経ち復興への意識が低くなってしまっている現状を、もっと改善しないといけないと思いました。
また、被災しサッカーをする機会が十分にない子供達を励ましに、少しでも技術などを教えに行こうと思っていましたが、逆に彼らのサッカーへの取り組む姿勢やひたむきさに心を打たれました。私達はとても恵まれている環境でサッカーが出来ていると改めて思いましたし、環境を言い訳にしない彼らの姿勢からサッカーを楽しむという本質的な部分を見せられた気がします。
この2日間で学んだ事を忘れず、様々な人に伝えていければと思います。

【3年 斉藤央】
今回、陸前高田のボランティアに初めて参加させていただきました。
実際に行ってみて自分たちの生活している環境はとても恵まれていると感じました。復興が進んできたと言われていますが、現地では仮設での店や土地のかさ上げのために盛られた土など、自分たちの生活とはかけ離れたものでした。また、今回サッカー大会を行ったグランドも凸凹があったり、ライン引きなどで自らの手でグランドを作っていくものでした。私たちが使っている人工芝で何もかも整備されているものとは大きな差がありました。生活の面でもスポーツの面でも、自分は恵まれていてこれを無駄にしてはいけないということを感じさせられました。
現地の方々と話した時に「震災のことを忘れないで欲しい」ということを多くの方に言われました。年々、日が経つにつれて人々の震災への関心は薄くなっていると思います。私たちのような実際に現地に行った人々が関心を惹きつけられるような発信、活躍をしていくことこそ復興へ繋がるものになるでしょう。
今回このような貴重な体験をできる機会を与えてくださった皆様に感謝します。本当にありがとうございました。

【2年 臼倉宏】
今回、陸前高田でボランティアをして、子供達から大きなエネルギーをもらいました。サッカーという一つのスポーツを通じて、陸前高田の復興に向けてのたくさんの小さな芽の芽生えを目の当たりにしたなと思いました。今後も継続して見守って行きたいです。参加できて本当に良かったです。

【2年 曽我巧】
私は、今回初めて陸前高田のボランティアに参加しました。陸前高田に到着し、被災地を目の当たりにした時は、映像と全く違い大きな衝撃を受けました。4年前の震災がいかに大きなものだったかを痛感しました。ボランティアを通して現地の方々と触れ合うことにより、私たちがいかに恵まれた環境に身を置いているかを感じるとともに、もっと頑張らなくてはならないと思いました。また、現地の方々や子供たちが復興に向けて頑張っている姿をみて、大きなエネルギーをもらいました。
このボランティアの参加は、私にとってとてもいい経験になりました。また多くのことを考えされました。この経験、見て感じたことを忘れず、今後に活かしていきます。また、周りの人に伝えていきたいと思います。

【2年 山本新太郎】
今回の陸前高田の復興ボランティア活動を通して、子供たちの元気な姿がとても印象的でした。必死でボールを追いかけ、純粋にサッカーを楽しむ様子は自分達に元気や勇気を与えてくれました。しかし、話を聞いていると、被災により家族を失った子供や怖い思いもした子どももいると知りました。この年齢で計り知れない悲しさを経験していることを知り、胸が締め付けられるような気持ちになりました。現在では、被災に関してのニュースや記事はメディアであまり見られなくなりました。しかし、被災地ではまだそういった経験と懸命に戦っている方々が多くいます。私たちは3月11日に起きたことを忘れてはいけない、また、今回のような活動を続けていきながら自分の周りの人達に感じたこと、経験したことを伝えていきたいと強く感じました。

【1年 飯原健斗】
今回初めて復興ボランティアに参加してとても良い経験をさせてもらいました。震災から数年経ちますがまだ完全に復興できているわけでなく、瓦礫の山も残っていました。また、多くの人が家を流されて苦しい生活をしている中でも、現地の人達のその苦しさを感じさせない笑顔や温もりが自分達に伝わってきてボランティアをしている自分達が勇気と元気をもらえました。さらに、早稲田カップでは小学生の元気にボールを追いかける姿や熱い試合を見ることができてとても楽しい時間を過ごすことができました。
自分自身今回の経験を通して、今はテレビでも復興のことを取り上げられることは少なくなってきましたが、決して忘れてはいけない事だと思いました。また、現地に行って得た物を私たちが周りに発信していくべきであると思いました。

【1年 山本隼平】
今回のボランティアの案内が来た時、このような被災地に行ってボランティアをするという体験は今までなかったので迷わずに参加をすることにしました。いざ、被災地に行ってみると、驚きと恐怖で色々なことを考えさせられました。家や店が全くなくなって一面更地になっていたり、津波が来てから何も手を入れられてない建物があったりと津波の恐ろしさを物語っていました。
サッカー大会の方では、子ども達はみんな全力でボールを追いかけていて、絶対に勝ちたいという強い気持が見れました。自分は環境にも恵まれていい環境でサッカーが出来ているのだから、もっと一生懸命頑張らないといけないと感じさせられました。
最終日の夜に仮設商店街の中華料理屋に行きました。席の近くに座っていたおじさんとおばさんと話す機会があり、その人達も被災し津波で家は流されたが奇跡的に助かったと話されていました。おじさんとあばさんはボランティアに来てもらえるだけで安心感があるし、心の支えになるとおっしゃっていました。このような話を聞いて、絶対に被災があったことを忘れてはいけないと思いました。またボランティアの機会があったら積極的に参加したいです。

【2年 松本渉】
私は今回の陸前高田のボランティアで2度目の参加となりました。
被害の大きかった地域では、元通りの生活を送ることはまだまだ難しい状態でした。しかし、橋の建設をしていたり、住宅やスーパーなどが少しずつ出来ていたり、防潮堤の設置場所が決まったりと昨年よりも着実に前に進んでいると感じました。
チームは昨年に引き続き、鬼柳さんを担当させていただきました。昨年は勝つことが出来ませんでしたが、今年は最終戦で見事一勝をあげました。試合中のプレーや応援の声でも子どもたちの成長を感じることができました。
早稲田カップを通して、子ども達が本気でサッカーを楽しむ姿をみて、微かながら子ども達の力になることが出来たのかなと思います。また、多くの人々の協力、その一人ひとりの強い思いがこんなにも素晴らしい大会を作り上げていると強く認識しました。そして、このようなつながりや思いが復興を推し進めるのだと感じました。
最近では、復興に対する人々の関心が薄れてきているように感じます。東日本大震災が遠く昔のことにされないよう、もっと多くの人に関心を持ってもらうべきだと思います。そのために今回の見てきたものを伝えるなど、自分にできることをしていきたいです。

【2年 松岡拓郁】
私は今回のボランティア活動で初めて被災地を訪れました。
そして、そこで見た光景、出会った人々は生涯忘れることの出来ないものとなりました。早稲田カップに参加してくれた子ども達と優勝を目指して闘い、現地の方々と話したり、試合を行ったりしていくうちに私たちが彼らから与えられたパワーは本当に力強く暖かいものでした。彼らの強さの根源はなんなのでしょうか。私たちにはなくて、彼らにはある暖かさとはなんなのでしょうか。そう考えて過ごしていた2日目に、私の担当していたなかのFCというチームの監督が子ども達にこう伝えているのを聞きました。「味方を思いやってサッカーしないと」という言葉です。それは、何気なく出た言葉でした。サッカーを小学生に教える監督ならばよく使う言葉でしょう。しかし、その言葉を聞いて、私は現地の方々の強さ、暖かさの根源がわかったような気がしました。彼らには他人を思いやるということが、当たり前のように体に刻み込まれていました。お昼時には昼ご飯を持っていない私に子ども達がただでさえ少ない弁当を少しずつ出し合って分けてくれたり、保護者の方々からは暖かい飲み物を頂きました。相手の身になって相手を思いやって行動するということは、言葉にするとたやすいことですが実行できる人はそれほど多くないはずです。しかし、そのような行動を全員が当たり前にしていた彼らだからこそ、私たち全員の心は動かされたんだと思います。
私たち1人1人で出来ることは本当に微々たるものでしかないでしょう。しかし、彼らのように相手を思いやり、また彼らを思いやって行動することが私たちに出来る何よりのことではないでしょうか。これらの思いで、これからの日々を過ごしていこうと感じた2日間でした。
最後になりますが、早稲田カップに参加して頂いた方々、運営して頂いた方々、そして早稲田カップに携わって頂いた全ての方に感謝し、お礼を申し上げるとともに、乱文をお詫びし終わりにしたいと思います。貴重な2日間を本当にありがとうございました。

【2年 野田紘暉】
昨年に引き続き2回目の参加になった今回の早稲田カップ。最初の驚きは、去年は完成していなかったクラブハウスとウッドデッキが出来ていたことです。グラウンドの芝もしっかりと伸びていて、ビデオで観た震災直後の同じ場所とは思えないほど素晴らしいグラウンドと施設が出来ていました。今回私が担当した石巻FCファンタジスタは、昨年は出場していなかったチームで、1日目は4年生と5年生が、2日目は3年生と4年生が参加してくれました。石巻FCは普段フットサルコートなどの小さなグラウンドで練習をしているらしく、大きなグラウンドで仲間とサッカーが思う存分出来る環境を目一杯活かして楽しんでいました。試合時間外にも全員でPK対決やフリーキック対決、リフティング大会など、空いているスペースを使ってサッカーをする姿に、純粋にサッカーをすることが好きだった昔の自分を思い出し、今の自分の不甲斐なさを感じました。2日間通して子ども達のパワーに圧倒され、その笑顔に私含め部員は癒されました。陸前高田市の市長が開会式で「君たち子ども達が元気でいることが復興をする上で1番大切」という言葉を話されていたが、本当にその通りだと感じました。実際に復興を行っているのは大人達です。今回の早稲田カップでも、多くの大人の方が携わり開催されています。しかし、実際に子ども達の笑顔を見て元気をもらっているのも大人達であり、その笑顔をみることが目的で復興を頑張れているのだと思います。私は震災で直接被害を受けてはいないし、家族や友達も大きな被害を受けた人はいませんでした。被災者の本当の辛さや現在の状況など、分からないことしかありません。その中で今の私にできることは、早稲田カップのようなボランティアに参加し、子ども達や大人達と素直にその時間を楽しみ盛り上げること。また、被災地に行きその場所のご当地の物を買ったり食べたりして、それを友達などに伝えること。ア式のメンバーとして関東リーグやインカレで優勝してその報告で子供達に勇気を与えること。今の自分には大きなことはできないが、小さな事をやり続ける事で復興に少しでも携わっていきたいと思います。

【3年 西村秀樹】
私は今回のボランティア活動で人の優しさに触れました。子供たちは純粋で、1つ1つの行いに敏感に反応し、行動していました。例えば、自分が身震いすると、たちまち子供たちがくっついてきて「これで寒くないでしょ?」と言ってくれたり、肩車をしてあげればお礼に肩をマッサージしてくれたり、涙を流してお別れを惜しんでくれる子もいました。そんな子ども達の無邪気な姿に心を打たれました。大人の方たちも東京から来た私たちにたくさん話しかけてくださり、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。自分は子供たちにサッカーを楽しんでもらおうと意気込んで陸前高田に行きましたが、結果的に自分が子供たちに元気をもらって、楽しませてもらっていました。陸前高田の人達の素晴らしい人間性に触れさせてもらい、とても感動しました。そして、必ずもう一度来たいと思いました。最後になりますが、津波によって流された場所にはまだ新しい家が建てられていなかったり、仮設住宅が多いということがあるので、募金などで少しでも被災された人達の役にたちたいと思いました。

【4年 中村大志】
0−1で迎えた三位決定戦での最後のプレー。ゴール前でフリーでシュートを打つも決めきれない。そして響く試合終了の笛。

ベンチに帰ってくる子ども達の目には涙が溢れていました。掛ける声が見つからずそばで佇んでいるだけの私に、心の底から悔しがっているのがひしひしと伝わって来ました。サッカーが教えてくれることはたくさんあります。その中でも、この本気で戦ったからこその悔しさというのは、かけがえのないものではないでしょうか。それをこの早稲田カップで感じてもらえたこと、それをこの陸前高田の子ども達に提供できたことがとても嬉しかったです。
そして、最後の別れの挨拶の時、自分も涙を抑えることが出来ませんでした。今回で3回目の参加、すべて高田FCのみんなと過ごしました。しかし、来年からこの素晴らしい時間は二度とやってこないと実感した瞬間に、こみ上げてくるものがありました。私にとって大切な時間を与えてくれた高田FCのみんなに心から感謝したいです。

出発する前から決めていたことがありました。それは、自分の早稲田のエンジ色の練習着をプレゼントすることです。全員にあげたかったのですが一枚だけ、4年生の子に渡しました。来年もこの練習着で元気に早稲田カップに参加して欲しいという願いを込めて。

10年後、東伏見でこの練習着を着て練習してくれたら、何て想いも心の片隅に。

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