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4年生の想い 〜多田八起〜

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「2部降格」
 
私達が犯した罪は重い。
この現実からは逃げられないし、逃げるつもりもない。
ただ、改めてその言葉を突き付けられると、胸が抉られる気持ちになる。

 

昨年の4年生に教えてもらった優勝の喜び。
今年はそれ以上のものを残そうと三冠を掲げ臨んだ。
 
しかし実際は、優勝の喜びどころか、1部リーグの舞台をも残す事ができなかった。
 
結果として何も残せなかった私達が辛うじて最後に残すことができるものは何か。
私が残さなければならないものは何だろうか。

 

まず始めに、
 
私は言い訳が得意です。
 
なんでもうまくやりたいくせに、人一倍意志の弱い私は、何か難しいことやうまくいかないことがあれば、
それらしい理由を見つけては自分を納得させ、その場しのぎで体裁を取り繕ってきました。
 
周りの人間どころか自分にすら弱みを見せられず、心に何層もの殻を被せることで理想の自分を守っていました。
 
しかし、そんな私をア式蹴球部の部員が変えてくれました。
 
「かっこつけるな」「感情を表に出せ」
 
周囲からの本気の言葉が、
他人からの干渉を恐れて逃げ回っていた私を捕らえ、殻を剥がし、弱みと向き合わせました。
 
それまで守ってきた理想の自分は、ただの紛い物でしかありませんでした。
 
他人の目を気にして、自分に嘘をついた状態で100%の力など出せるはずもなく、
本気で自分と向き合って初めて、自分の伸びしろが見えてくるということに気付きました。
 
このことに気付いた時、人としての成長を感じました。
そして、人としての成長がサッカー選手としての成長につながったと感じた瞬間でした。
この経験は本当に素晴らしいもので、この経験ができたことに本当に感謝をしています。

 

ただ、

 

気付くのが遅すぎた。
変わるのが遅すぎた。

 

何をこのチームに残さなければいけないのか。
 
それは、過信や慢心、現状への満足、そういったものの本当の恐ろしさ。
 
このチームでは、たくさんの事象がわかりやすく言語化されている。
しかし、その言葉のすべてにおいて、形骸化しているように思うことがある。
皆の口から出てきた途端に、軽薄で意味を持たないものになっているように思うことがある。

「これってこういうことでしょ」

そうした一つ一つの当たり前を自分自身の頭で考え、咀嚼し、仲間とぶつけあって、本当に意味のあるものにしていかなければならない。

 

時が経つのは早い。気付いた頃には終わってる。
 
今振り返ると、入部したのがついこの間のことのように思える。
 
気持ちよく引退なんてできない。
ただの反面教師では終われない。
残りの期間で本気でもがき、足掻かなければいけない。

最後にしっかり危機感を残して卒業していく。