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3年生の想い〜丹羽悠介〜

img_0559リスクを負うことが嫌い。
そんな私がFWだ。なかなか点は入らない。
それなのにオフサイドによくかかるから不思議で仕方ない。

さて
これまでを振り返った時に、私の行動にはある一つの共通項があることを発見した。
それは、「勝てるフィールドかどうか見極めた上で勝負に挑む」ということだ。
結果、私は非常に高い勝率を収めてきた。
他人よりも優っているという優越感、そしてそれがもたらす自信が私を突き動かしていた。

そんな私が最も計算を見誤ったのが「ア式蹴球部に身を置く」という決断だった。
私は自信過剰で、『勝てる』と高を括っていたのだ。
しかし、通用しなかった。
おまけにグロインペイン症候群になり長期離脱を強いられ、今日も発症するかもしれないという不安で練習前にビクビクしているざまだ。
今の私は計算していた『勝ち』から程遠い位置にいる。

隣の芝が青く見えた時もあった。

「そんな弱気なら辞めろ」
そう思った人もいるかもしれないが、私は逃げたくない。
『勝ち』だけに執着してきた薄っぺらい私とおさらばしたいのだ。
『勝ち』たいためだけに、嘘をついて仲間を裏切ったこともあった。
上手くいかない時は想定外だから、虚勢を張って周りを寄せ付けず、他人の言葉を拒絶した。
そんな私は愛されなかった。

こんな自分を変えなければいけない。
頭ではわかっている。
しかし、20年間積み重ねられた行動は習慣となって私に染み付いて離れない。

変わるチャンスは何度もあった。
けど変わりきれていない。

だからこそ、今の私にはリスクを負ってでも挑戦していくことが求められている。
今まで信じてきた自分を疑い、再建していく努力だ。
しかも史上最高に居心地の悪いア式蹴球部で。
うるさく追求してくる同期がいるからだ。
私の道を正してくれる同期だ。

 

私ならできる。
オフサイドにかからず裏へ抜け出し、脚を振りきれる。
一部の舞台を私が取り返す。