diary-men

「転機」1年・須藤友介

 

🌟須藤友介(ストウ ユウスケ)
⚽️FCトッカーノ → FC町田ゼルビアユース

 


 

平素よりお世話になっております。今回の部員日記リレーを担当させていただきます、スポーツ科学部1年の須藤友介と申します。拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。

 

時は早いもので、前期リーグが終わり後期リーグに突入しようとしています。私は2月からア式の活動に参加させていただいているので、活動期間としては半年が経ちました。

この日記は、ア式のテーマである「発信」できる場です。この機会に半年を終えた素直な感情を発信させていただきます。

 

前期の自分を振り返った時、ただひたすらに情けない自分に腹が立ちました。

そもそも早稲田大学に進学し、ア式蹴球部に入部するということは自分にとって挑戦でした。私は推薦入試で合格するほどのサッカーの実績がなく、センター試験の競技歴併用という方式を使い入学しました。受験期間中に発表されていたスポーツ推薦合格者のリストを見て、田中雄大、杉田将宏、そして加藤拓己が入部することを知りました。ア式の活動に参加させていただく前から全国屈指の選手たちが集まっていることはわかっていました。わかってはいたもののいざ練習に参加してみると予想以上のレベルの高さに圧倒されました。

 

明らかに自分より上手い選手、そして同じ世界にいないと思えるほど飛びぬけている選手。練習を重ねれば重ねるほど差を見せつけられ、全く歯が立ちませんでした。

そんな私の近くでAチームに上がり、残り続ける同期が何人もいる。毎日焦りと不安を感じ続けました。自分の短所ばかりに目を向け続け、4月の終わりには自分を見失いました。我武者羅に頑張り続ければいい。そう思えば思うほど、力んでしまい空回りし続けました。

このままではダメだと感じ、短所を改善するという作戦に出ましたが、短所しか目に入らない私にとってその作戦は逆効果でした。自分はこんなもんじゃないと信じる自分が消えていき、自分はこんなもんだったんだと見下す自分に覆われました。

 

ただこうして日記を書いているとき、前期は自分にとって大変有意義な時間だったことに気づきます。苦しみ、もがきながら自分と向き合った時間のおかげで、後期へと準備を進める今は、非常に良いメンタリティーでサッカーをできています。それには一つの転機がありました。

キャプテンの岡田さんは言い切ることが大事だと全員に伝えることがあります。そして岡田さんは自分自身で言い切り続け、チームを引っ張り続けています。その姿をみて私は憧れを感じていました。

 

私の転機は、岡田さんと同じ言葉を高校時代のチームメートに浴びせられたことです。

前期が終わり長期オフに入った時、私は彼に会いました。久しぶりに会った彼に私は尋ねました。卒業後どうするのか、と。彼は即答しました。

「俺はプロになる」

「プロになりたい」ではなく「プロになる」。この言葉がやけに私の胸に刺さりました。岡田さんとは違い、彼はAチームで試合に出場しているわけでもないし、名前が知れ渡っているわけでもない。むしろ自分と境遇は変わりなく、彼には彼の葛藤があるはず。だがしかし彼と私には圧倒的な差がある。先輩に憧れて終わっている自分と友人に躊躇なく言い切ることができる彼との間に。

そしてこの差の原因を私はすぐに悟りました。それは彼には彼自身を信じきる力があるということです。そして考えました。対する自分はどうだろうかと。
自分を見失い短所ばかりを気をしている。周りの選手たちに飲み込まれ、自分を見下してさえいる。きっかけは与えられていたのにも関わらず、そこに憧れるだけで終わっている。そんな人間のプレーを誰が信じ、誰が評価するのだろうか。情けない自分に腹が立ち、悩んでいた自分がばかばかしくなりました。

 

この転機のおかげで自信を持つということの大切さに気付きました。単純であるが難しい、私にかけていたものに。前期という長い時間を費やしましたが、費やしたからこそ気づくことができたと思います。

気づくこと。

これはア式蹴球部員に一番求められることです。サッカー面でも生活面でも。私は、これを求められる環境に4年間身を置けるということは、人生にとってかけがえのないものになると確信しています。確かに厳しいし、逃げ出したくなることもあります。ただし、ここまで徹底して全部員が気づける、気づこうとする組織はないと思います。人間として尊敬できる先輩方や、そこに全力で向かい続ける同期と切磋琢磨することができる。前期では自信を持つことが大事だと気付けたけれど、後期ではまた違ったことに気づけるに違いない。そんなわくわく感と自信を胸に一日一日を大切に精進していこうと思います。

 

拙く長い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。