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「部活、楽しんでますか?」3年・山中龍祐

 

🌟山中龍祐(ヤマナカ リュウスケ)
⚽️東急レイエスFC → 桐蔭学園高等学校

 


 

 

 

怪我から復帰して約3週間。
サッカーが楽しくてたまらない毎日である。全力でプレッシャーをかけてくる相手をタッチでいなし、自己満足でよくやるノールックパスで相手の逆をとる。
駆け引きこそがサッカーの醍醐味であり、たまらなく楽しい。
サッカーを楽しんでいる自分がいることに喜びを感じる。
没頭しすぎて気がついたら練習や試合が終わっている。

「もう練習終わりか」
「もっと試合したかったな」

そんなことを思うことが最近”また”増えてきた。

 

 

 

私は中学の頃、サッカーが大嫌いだった。

 

誰よりも。

 

監督の顔色をうかがい、周りの目を気にし、監督や仲間に褒められるため、認められるためにサッカーをしていた。

そこに自分らしさは一切なかった。

受動的で自分からはほとんど発信することなんてなかった。

ありのままの自分をさらけ出すことなんてなかった。

「早く練習終わらないかな」
「練習休もうかな」

ネガティブなことしか考えていなかった。

時には監督から「マリコーン(スペイン語で”おかま”という意味)」と呼ばれ周りから笑われてた。
そうやって言われるほど、自分の殻に閉じこもり、うずうずした弱い自分であったのだろう。

今振り返れば、全くサッカーが楽しくなかった。

 

 

「ベースボールを大好きなファンのために。そしてただベースボールが大好きな自分のために。つまずいても、何度だってはい上がればいい。そこに動機なんていらないじゃないか。俺達はただ野球が好きだから走り続けるだけなんだ」

高校の入学前に読んでいた、ある野球漫画の主人公のセリフである。
何気なく漫画を読んでいたのだが、このセリフを読んだとき、自分の中学の頃に対して強い嫌悪感を抱いた。

 

 

中学のときなにしてたんだろ

全然楽しんでないじゃん

楽しめばもっとサッカーが上手くなるのではないか

そう感じた。

 

漫画ではあるが、私のその先の人生を明るくしてくれた。

高校に上がり
「純粋にサッカーを楽しむ」
そう決心した。

 

 

視界が広がっていった。

プレーに余裕ができた。

中学の時には見えないところまで見えるようになった。

自分のポジション(サイドバック)が相手にとってボールの奪いどころになるにも関わらず、試合中にボールがめちゃくちゃ欲しかった。

誰よりも要求した。

ボールが来ない時は味方に怒鳴り散らかしていた。
「オレにボールをよこせ」と。

気がつけば周りの目なんて一切気にしなくなっていた。

“上手くなりたい”
と思いながらやっていた自主練も、

“ただサッカーが楽しくて早くボールを蹴りたい”
そんな思いに変わっていった。

「もう練習終わりか」
「もっと試合したかったな」

そんなことを”初めて”思うようになったのが、この高校生の頃である。

 

大学受験でうまくいかず、浪人生活を送ることになっても
勉強の合間に散歩でよく行っていたマリノスタウンの芝が青く見えることがあっても
リベンジで臨んだセンター試験。
しかし国語の小説で5点しか取れなくても

「大好きなサッカーの為に」
「もう一度サッカーを楽しむ為に」
と、絶対最後まで諦めずに、1年間頑張ることができた。

 

 

 

話を”今”に戻します。

 

「部活、楽しんでますか?」

 

これが私がこの部員ブログで伝えたいことである。

思考と気持ちの変化だけでこんなにサッカーが楽しくなると実感できたから。

サッカーを楽しむことで選手として成長できると私がこれまでの人生で実感できたからこそ伝えたい。

この質問に「はい」と答えられる人はどれくらいいるのだろうか。

“ただ与えられた仕事ををこなしているだけの選手になっていないか”

“自分のパフォーマンスに不安を抱きながら練習に向かってる選手はいないか”

“試合中にボールを受けることを怖がっている選手がいるのではないか”

私の目にはそのような選手がまだまだ組織の中にいるように思える。

これはア式蹴球部内だけに当てはまる話ではない。
他大学の体育会でもこのような感情を抱いている学生はいるのではないか。
「就活サッカー」
「就活ラグビー」
と言って部活に入る他大学の知人だっていた。

そんなの絶対つまらない。

そんなの組織にいても絶対楽しくない。

“大学で部活をやる意味”を考える以前の問題であるのではないか。

そこに人としての成長は果たしてあるのか。

 

 

1ヶ月後には4年生が引退し、最上級生になる。
私自身が、広報活動の面白さ、楽しさを後輩に伝えていく。
「山中と一緒にプレーしていて楽しい」と言われるように周りを巻き込んでいく。

 

「部活、楽しんでますか?」

 

そう自分自身に問いかけてみてください。

 

少し上から目線に感じた方もいたかもしれませんが、これが私の想いであり、サッカーに対する考えです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
このブログをきっかけに何かを感じてくだされば嬉しいです。

今後ともア式蹴球部へのご指導、ご声援の程宜しくお願い致します。