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「世の中的には」3年・野牧元

 

🌟野牧元(ノマキ ゲン)
⚽️春日部市立豊春中学校 → さいたま市立浦和高等学校

 


 

 

 

「世の中的には」

 

我らが外池監督がよく使うパワーワードの一つである。

まず、なぜ外池監督はあえて多用して「世の中的には」という言葉を使うのか?
私は、ア式と社会の関係性を知るためであると考える。そもそも、物の見え方捉え方は、人によって違う。大きくみていくと組織やコミュニティによっても違う。その中で、ア式蹴球部をはじめとする体育会は閉鎖的な環境であると言われることが多い。外からの刺激が圧倒的に少ないため、自分たちのくくりの中で文化を発展させる。そういう意味では、体育会は世の中的に異質な存在であると言うことができる。だからこそ、外からの視点を持ち、自分たちの立ち位置を認識し、変化していく必要がある。

 

「ア式蹴球部」

 

今年のア式は変化した。
監督が変わり、WASEDA the 1st という不変と思われていた考え方を再定義した。
ア式の中での常識をぶっ壊した。
組織内は大きく変わった。
そして、世の中的にもア式の見られ方は変わってきていると思う。
大塚製薬さんとコラボしたCMやSNSでの発信を通して、ア式の変化を感じ取ってくださっている方はいるはずだ。

 

では、細分化して早稲田大学のいち学生からみたア式はどうだろうか?
注目度は本当に高いのか?ア式の優勝を心から喜んでくれる人はどれだけいるのだろうか?

 

私が日頃感じているギャップは、変に私たち自身がア式蹴球部をすごいと勘違いしてしまっているのではないかということだ。
ア式であることで、チヤホヤされ、すごいと言われる。ア式蹴球部の価値ってそもそもどんなところなんだろうか?個人として一人一人をみたらどうなのか?本当に自分自身を、ア式蹴球部を誇ることができるのか?

 

「野牧 元」

 

私は、私自身を誇ることができなかった。
野牧元は早稲田大学スポーツ科学部の3年生でア式蹴球部という体育会サッカー部に所属しています。
世の中的にみた私は、こんなところだと思う。
しかし、関東リーグに出場はおろかメンバーに登録すらされていない。地元のみんなから、「応援してるよ」と声をかけられて、むしろ悔しかった。なにもなし得ていないと。むしろ、サッカーではない違うことに打ち込むみんなの姿がキラキラして見えたりした。

では、サッカーをまず取っ払って、
「私➖サッカー」とはなんなのだろうか?
きちんと説明できない。私からサッカーとったら何にも残らないかもしれない。
あと1年近くで社会人になる。社会人になった私はサッカーボールを蹴る訳ではない。
それなのに、「私➖サッカー」を明確に答えられない。
そんな人間が社会で通用するのだろうか。

今の私には何が必要なのか?

私は、「変化を恐れず進化し続けること」という解に辿り着いた。

自分や組織を客観的に見ることで、そこに課題やギャップが生まれる。それはある意味チャンスであり、変化しうる伸びしろなのである。
そして、そこにはいい意味の特異性というものが存在すると思う。それが信念や個性である。

 

「四年生」

 

4年生は必然的に変化する。
最上級生になり、チームを引っ張っていくという責任。立場が変化することで、変わってくる見え方。そして、就活という社会との接合を通して、自分自身はなんぞやということを知る。

この目で見てきた。
そうしたプロセスを経て、もがき、苦しみながらやってきた4年生の姿を。
カッコいいと心から思える4年生の姿を。
私たちは、私はそんな4年生になれるのだろうか。学年ミーティングを重ねるにつれ焦りが増していく。立派な4年生になれるのか。変化をすることができるのか。

 

世の中的にはという言葉から、求められることは変化と個性だ。私たち自身を客観的な視点からみることで、自分の立ち位置や見え方が変わり、そこに課題や個性が見えてくる。特に体育会は自分たちの組織に固執しすぎているからこそ、もっと外からの視点に向き合うべきなのだ。その課題に立ち向かい、自分自身を変化させることを恐れないこと。尚且つ、自分だからこそもちうる個性を貫くこと。そうすることで、真の意味で自分たちやその組織の存在意義が見えてくる。しかし、このバランス感覚がおそらく一番難しい。

私自身に落とし込むと

一番の個性は泥臭さであると自負している。客観的な視点でもおそらく変わらない。
サッカーがめちゃくちゃ下手くそに関わらず、ここまでサッカーを続けてきた私だからこそ持ちうる個性だ。
しかし、その反面変化を恐れてしまう。安パイでいい、他人に干渉することもされることも嫌いである。だからこそ、自分自身の殻を打ち破り突き抜けないといけない。だが、このプロセスこそが私自身を成長させてくれると信じている。

最後に、この場で提言したい。

自分や自分の属するコミュニティを一回客観視しよう。
そして、そこで出てきた課題に対する変化を恐れるな。

 

 

私はこれを体現する。