diary-men

「初めてサッカー人生を振り返り、言葉にしました。」3年・金田拓海

 

🌟金田拓海(カネダ タクミ)
⚽️ヴィッセル神戸U-15 → ヴィッセル神戸U-18

 


 

 

 

 

自分は本当の想いを隠してしまう。
本当の感情を素直に出さない。
しかし、ここでは偽りなく書きたいと思う。

 

誰のためにサッカーをしているのか、
なぜサッカーをしているのか。

その答えは小さい時からずっと変わらなかった。
自分のために、
そして"夢"があるから。

 

自分は周りのことなんて本当にどうでも良い。
サッカーはチームスポーツであるが、負けても自分のプレーが良かったら、自分は活躍したら、勝敗なんてどうでもいい。ずっとそう思ってサッカーをしてきた。

 

しかし、自分はサッカーの才能はない。
自分のような選手は周りの選手がいて成り立つ、
そのようなプレースタイルである。
自分の周りからの評価は、チームのために戦える選手ということになっているかもしれない。
しかし、本当は違う。
それしかできない。そしてチームのことなんて別に考えていない。そのことで自分が評価されるならやる。それだけ。
一緒に出てる選手が守備をサボっても良い。それをその人に指摘することはない。自分がそこまでカバー出来ればまた自分が評価されるのではないかと思うから。
そんなことばかり考えていた。

 

ヴィッセル神戸のユースでプレーしていた自分はトップチームに昇格することは出来なかった。なにかを変えないといけない。
この4年間でサッカーが上手くならないととそう思った。
なんとなく過ごしているうちに、大学生活はどんどんと過ぎていった。

 

そんな中で今年多くのことを4年生、そしてスタッフに教えてもらった。
外池さんと面談を行う機会が夏にあったが、そこで
「選手としてもっと上に行きたい。」
そう伝えた。
そうすると、
「サッカーの部分で自分が教えられることはあまりない。もっとチームのために行動したり、チームを引っ張っていく姿勢やその気持ちがプレーを向上させるよ」
と言われた。
その時には全くと言っていいほど、ピンとこなかった。そんなんでプレーが変わるわけない、とまで思った。

 

よく分からないまま、夏が終わり関東リーグも残り少ないところまできていた。
そんな時に1位と2位の直接対決の筑波戦があった。外池さんから3年生が集められ、この試合は3年生が引っ張ってほしいと言われた。もう4年生に頼ってばかりではいけないと。

 

そこで今年の4年生の行動、言動や姿勢について自分なりに考えてみた。
自分のように自分のことだけを考えてサッカーをしているような人は1人もいなかった。
主将の岡ちゃんはチームに対して、誰よりも強い気持ちを持ってるからこそ、大事な時にゴールを決める。
いつもへらへらしている相馬くんは、本当は1番このチームが好きで、活躍しないといけないという責任感を持っている。だからこそ結果を残すことができる。
学くんは1番チームのことを考え、誰にでも厳しく出来るからこそ、大事な時に体を張りゴールを守ることができる。
素直にそう思えた。
遅いかもしれないけど、やっと自分の足りないものに気付けた。
他の4年生からも多くのことを学ばせていただきました。
ありがとうございます。

 

また、今までは自分のプレーが上手くいくと楽しかった。
サッカーは自己満足だった。
しかし、チームのことを考えて、本当の意味でチームのためにプレーする。
そんなサッカーはもっと楽しいことに気付いた。
15年以上サッカーをしてきて、また違ったサッカーの楽しさに気付けた。
筑波戦が今までで1番楽しかった試合。
あんなに終わって欲しくないと思った試合はない。それぐらい楽しかった。
まだまだサッカーを楽しむことができます。
ありがとうございます。

 

また、筑波戦を見に来てくれた人たちから、
「いい試合だった」「刺激をもらった」「感動した」という言葉を頂いた。
本気でチームのためにプレーして、その中で自分の特徴を出すことが、周りを楽しませるし、なにかを与えることが出来るのだと感じた試合でもあった。

 

そして、こんな自分ももう4年生になる。
今年、最終節と出場停止の試合を除けば、全ての試合でスタメンで関東リーグに出場させてもらった。
優勝した時は涙が出るほど嬉しかった。
でも本当の意味で喜べたのかと言われたら疑問がある。
嬉しさは一瞬で、
すぐに来年への不安、自分が4年生になる不安、今の4年生がいなくなる不安の方が大きくなったからである。
4年生の偉大さに気付いてしまった。素直に4年生が凄かったんだと思った。
サッカーの技術とかではない。
1人の人間としての大きさ。深さ。
自分と4年生との間にはこんなにも差があるのだと愕然とした。
周りの人に興味がない、
自分のことしか考えられない、
その時の感情に流される、
楽な道に逃げるなど、自分の悪いところはどれだけでも思いつく。
そんな自分にのびのびとプレーをさせてくれた。
そんな環境をつくってくれた4年生が全てだと思った。
今度は自分がその立場にならないといけない。
なってみせます。

 

そして来年こそは、本当の意味で喜びたい。
最高の同期と。後輩と。
見たことのない最高の景色を見たい。
そして、最高の景色に多くの人を連れ込みたい。
そう強く思う。

 

そして、絶対に忘れてはいけないもの。

「感謝」

 

いつからだろうか。
サッカーを出来ているのが、当たり前になっていたのは。
全てが当たり前ではないのに。

私は兵庫県の小さな田舎の町に生まれた。
サッカーのレベルは低く、上を目指すような環境はなかった。
そんな中、両親は小学生の頃からヴィッセル神戸のスクールに週1で1時間半ほどかけて車で送ってくれた。所属していたチームの練習場にも、車で1時間ほどかけて連れていってくれた。
中学生になると、ヴィッセル神戸のJr.ユースでサッカーをした。自分の家からは通えず、神戸に家を借りて、母親と2人で暮らした。なに1つ迷わずに、最高の環境でサッカーをさせてくれた。
兄も小学生の頃から、弟だけにこういう環境を与えたことに関してなに一つ文句を言うことはなかった。
本当にここまでしてくれるのは当たり前ではない。
そんな支えがあり、今もサッカーが出来ている。
今なら分かる。それが普通ではないことが。
ありがとう。
夢を叶えることが、恩返しになる。
頑張るので、あと少し力を貸してください。
よろしくお願いします。

 

ここまで多くの人に支えられ、学びながらここまで来ることが出来ました。
多くのことを学ぶことができ、そしてまだまだ成長させてくれるア式蹴球部のために、
1番自分の夢を応援し、今でも兵庫県から応援しに来てくれる両親、
毎週のようにリーグ戦を見に来てくれる兄、
いつもホームページで試合の結果を気にしてくれている祖父母のために、
そして大きな夢を持っている自分のために、
残りの1年を頑張っていきます。