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30周年企画『隣の芝生は青く見えた』近澤澪菜

こんばんは!
本日はこちらです!

自分と比較した時に他人の方が良く見えてしまうこと。
それを「隣の芝生は青く見える」という。

中学も、高校も、大学も、どこでプレーしていてもそうだった。自分と一緒にプレーする人はいつも上手くて、輝いていて、自分にはないものを持っていた。

半端ない反射神経を持つGK、全てにおいて高いクオリティを持つGK、小さくても存在感と安心感と信頼を集めるGK、素晴らしいコーチングでチームを引っ張るGK。
GKに限らず、FPに対しても同じように思っていた。

そんな輝かしい人たちとは違って、
特別指定選手として活動に行く度に落ち込む自分。
代表活動に行く度に埋もれる自分。

正直に言うと、情けなさすぎて練習も、自分も、何かもが嫌だった。

そんなことは人に言える訳もなく、
「頑張ってきてね!」「いってらっしゃい!」と
笑顔で送り出して応援してくれるチームメイト、指導者、友達、家族。

素直に「ありがとう」と言えばいいのに、それすら言えない自分。
心の底から感謝を伝えられなくて、苦しかったし申し訳なかった。

でも、そんなこと思ってるのに心の片隅には、試合に出たいという気持ちもあった。
決して上手くなくても、自分を必要としてくれている人や応援してくれる人のためにも、頑張らなきゃという気持ちがあった。

2021シーズンが始まる前のオフ期間、GKコーチと1対1でトレーニングを積み重ねた。真冬の夜に2時間みっちりやった。焦りを感じていたから。

頼れる先輩GK達が卒業して、しばらくの間は自分1人。始動後は練習試合も沢山あるだろう。そこに自分がいなくては試合が、チームが成立しなくなる。

だからもっとやれ。

課題を克服しろ。

絶対止めろ!

と自分にプレッシャーをかけた。

それが自分にはあってなかったのか。始動後に離脱。
開幕も間に合わなかった。

練習を眺めて思った。
「みんなすごいな。自分と違って輝いてる。いきいきしてる。」

同じ時期にリハビリだった先輩と
「人って自分が何にもできないと感じるときに、周りがキラキラ輝いて見えるのなんでだろうね〜」とか話したな。そしたらいつのまにか、お互いの良いところを話してモチベを上げてた。そうやってしんどいリハビリを乗り越える日も、あっていいんです。

ある日の夕方、気分転換にと思って(自宅で)私が1番好きな映画を観た。
そこで出てきた言葉。

「行き詰まったら、ものの見方を変えることよ」

なんかグサッときた。
周囲と比較しかしてこなかった自分。そんなことしなくていいと思えた。
近澤澪菜は他の誰でもない。自分は自分。
人とは違った良さがある(はず)。

それからは心の荷が降りたのか、色々と前向きに捉えることができた。

もちろん勝負の世界に身を置いているのだから、全く比較しないという訳ではない。
でも、自分は自分と思うだけでありのままでいることができたし、ここぞという場面で力を発揮することが出来るようなったと感じる。

この先も、自分らしさを忘れずにプレーして、ア女の勝利にどんどん貢献していきたい。

隣の芝生は青く見える。

いや、

隣の芝生は青く見えた。

拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。今後ともア式蹴球部女子部をよろしくお願いいたします。

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以上です。
本日もご覧いただきありがとうございます!
明日の21時もお楽しみに!

笠原