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30周年企画《OG連載》2013年卒 小野寺美咲



【小野寺美咲(おのでらみさき)2013年卒】
1991年3月18日生まれ。2013年3月にスポーツ科学部スポーツ文化学科卒業。10歳の頃から男子チームでサッカーを始め、中学校では男子チームの部活動と青森県の女子チームSHRINE .L.FCでプレー。高校は宮城県の聖和学園高校に進学し、2007年高校総体では全国3位という成績を残す。早稲田大学ア式蹴球部女子では、2009年度・2010年度にインカレ優勝、2012年度にインカレ準優勝を経験している。卒業後、2013年に株式会社アシックスに入社。入社から6年半ほど神戸市の本社にてサッカー・フットサル・ラグビーを中心にシューズの開発業務に携わる。社会人になり5年間は兵庫県のSWH Ladies Futsal Clubでフットサルを続ける。2019年夏にアシックスジャパン株式会社に転籍し、大学連携事業を推進するチームに異動。現在は早稲田大学との包括的連携事業担当及びア式蹴球部女子のクラブサポート担当に従事し、スポーツ振興に貢献している。

現在も早稲田大学またア女に関わる仕事をしている小野寺さんが、ア女在籍当時にどのような経験をし、ア女を卒業してからどのようなキャリアを歩んできたのか。貴重なお話を語ってくださりました。


〈ア女在籍当時の役職とその思い出〉
大学4年の1年間は「グラウンドマネージャー」を務めさせていただきました。決してチームの中では上手いほうではなく、まだ公式戦にもほとんど出ていなかった私が、グラマネとして後輩含め錚々たるメンバーのトレーニングの指揮を執るということに当初は非常にプレッシャーを感じていました。しかし、(当時の)長岡監督や福島コーチをはじめ、グラマネメンバーやフィジカルコーチ、そして同期に支えられながらやり遂げた経験は、私の人生においてとても大きな財産となっています。
就活や卒論など、自分のことでもいっぱいいっぱいな中で、他人・チームのことも常に考えなければならないこの役割は決して簡単ではありませんでしたが、おかげで改めて私自身もサッカーと深く向き合うことができ、努力を続けて初めて公式戦に出られた日の喜びは今でも忘れられません。グラマネを通して学んだ目標と今の課題から逆算してプランを立てていくという考え方も、社会に出てからとても活きました。改めてグラマネという役職に携わらせてもらえたことに感謝したいと思います。今振り返っても、人生の中で一番、毎日を全力で生きていたと思える1年間でした。

〈卒業後のキャリアを選んだタイミングと、なぜそれを選んだのか〉
大学に入った初期の頃から、サッカーは大学で引退し、卒業後は一社会人として働くことを想定していたので、大学3年の後半から見よう見まねで就活を始めました。スポーツに育てられてきた人生でしたので、必ずここまでの知見を活かせる仕事が良いという想いが強く、スポーツ界への貢献・還元ができる人材を目指し、スポーツに携わる仕事を第一目標にして様々な業界・企業を調べて活動を行いました。所沢駅のスターバックスで必死に自己分析や面接対策を考えていた日々が懐かしいです。
(恐らく)2011年のなでしこジャパンのW杯優勝の影響による女子サッカーブームの後押しなどもありアシックスに採用いただけ、現在に至っています。

〈現在の仕事に関して〉
入社後はシューズ開発の部署に配属され、国内・海外問わず、様々なモデルのシューズの開発を担当させていただきました。しかし、より直接的に誰かの心を動かせる仕事に興味を持ち、マーケティング業務がしたいと思い、大学連携事業を行っている現在の部署への異動を希望しました。
アシックスと早稲田大学は2016年より組織的連携協定を結び、体育各部のサポートだけではなく、スポーツ振興を通じた地域・社会貢献や双方のブランド価値向上などを目的とした活動を行っており、現在その連携事業における早稲田大学との窓口担当をさせていただいています。一校友として、早稲田大学そしてア式蹴球部に関わる仕事をさせていただいていることに嬉しさや誇りを感じるとともに、学生時代は全く想像していなかった母校と仕事で関わるということに不思議な気持ちも感じています。
現在の仕事を通して、改めて早稲田には魅力的なコンテンツ、成長機会が多く転がっていることを実感しました。学生の皆さんには、もちろんサッカーや学業にも励みながら、より視野を広げ、アンテナを張って、今しかできないことをひとつでも多く経験して欲しいと思っています。どんな結果であれ、経験は強みになると私は考えています。積極的に自分から動き、人生の幅を広げて欲しいと思いますし、私自身も今の仕事を通じて学生の皆さんにとって有意義な機会を提供できるように努めてまいりたいです。

今回、「30周年企画〜OG連載〜」として、小野寺美咲さんにご協力いただきました。サッカーを続けるのではなく、就職をするという選択をした小野寺さん。大学スポーツやア女にも関わる現在のお仕事などについて語っていただきました。部員にとって卒業後、サッカーを続ける以外にも様々な進路があるのだということを学ばせていただきました。この機会にお話をお聞きできたことに感謝し、これからもOGの方々の思いを背負って日々励んでいきたいと思います。

編集:藤田