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『女子サッカーに価値はあるのか』 4年 黒澤舞水

本日の担当は、4年黒澤舞水です✨
女子サッカー界に強い情熱をもって向き合っている彼女。
学生トレーナーという立場で彼女が考える、女子サッカーの価値、大学女子サッカーの存在意義とは…
是非ご覧ください👀💫

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今年は女子サッカーW杯イヤーだ。
現在進行形で大会が開催されている。
それにも関わらず、今大会においてメディアの関心が薄いと感じてしまうのは私だけだろうか。
寮の部屋にテレビがないのでそもそも目にする機会がないだけなのかもしれないが。
実家で目にした新聞での取り上げられ方は小さかったので、メディアの関心が大きいとは言えないのは確かだろう。
オリンピックでも、昨年のW杯カタール大会でも感じたスポーツにおけるメディアの影響の大きさ。
なのに、
大会ギリギリまで放映権が決まらなかった。
サッカー界において給与面での男女平等が叫ばれる中で、FIFAの提示する放映権料が高かったのは知っている。
各テレビ局がビジネスをしている組織だということも分かっている。
そんな状況でも、何がなんでもTV放送を、と想像もつかないほどの労力で沢山の方が動いてくださったのも知っている。
このことが問題になったのは日本だけではないようだが、分かったことは世界的にも女子サッカーにそんな大金は払って貰えないという事実。

女子サッカーに価値はあるのか。

※それでもW杯前に仙台で行われた親善試合をテレビ・TVerで中継してくださった日テレさんには感謝しています。ありがとうございます。
そしてギリギリでも放映権を獲得してくれたNHKさんにはとてもとても感謝しています。ありがとうございます。

今年のW杯、日本が優勝できるかどうかは誰にも分からない。
決勝トーナメント進出が決まった今、
一つだけ分かっていることは
「優勝できる可能性は0ではない」
ということ。
もしトーナメントを勝ち進み、準決勝くらいになったら間違いなくメディアの関心は高まるだろう。
地上波で放送されることも考えられる。

女子サッカーに価値はあるのか。

あるとき、Twitterで流れてきた記事にはこうあった。

「2011年、優勝しなければよかったのかな」

これだけ聞くと語弊が生まれてしまいそうだが、

決して優勝したことを後悔しているわけではなく、
普及、強化などが進んでいない中で
いきなり優勝してしまったことで、
逆にそれが受難になってしまうことがあったそうだ。
優勝したのにレジェンド達にそう思わせてしまうという事実。
あれだけ女子サッカーを取り上げていたメディアがいつの間にか引いて行く様子は当時小学校だった私の目にも明らかだった。

女子サッカーに価値はあるのか。

注目されるには結果が全て。
欧米とはスポーツの文化が違うのだから仕方ない、と片付けてしまうのは違うが、
残念ながらそれが日本の現状。

出場を逃した2016年リオ五輪、
ベスト16で終わった2019年フランスW杯、
ベスト8で終わった2021年東京五輪、
どれだけ注目されただろうか。

女子サッカーに価値はあるのか。

と、ここまで問う中で、
価値=注目=メディアからの取り上げられ方=結果を出し続けること
つまり、現状、女子サッカーに価値はない
という構図が見えてきてしまったような気がするが、
スポーツの価値は結果だけに縛られるものではないだろう。

例えば、2011年のW杯をきっかけに女子サッカーを好きになった人は沢山いるし、
2011年のW杯をきっかけにサッカーを始めた少女たちが、今、W杯の舞台に立っている。
WEリーグの、なでしこリーグの観戦者数を増やそうと努力しているサポーターの姿を知っている。
それに応えてくれる人の姿も知っている。
何より、小さな子供から大人まで、毎週末、カテゴリ問わず女子サッカーの試合に足を運び、夢や希望をもらっている人たちを私は沢山知っている。

価値を創り出す第1歩として結果は必要かもしれないが、最終的にスポーツの価値の有無を判断する上で大切なことは
誰かに何かを与えられるかどうかなのではないか。
かなり抽象的なので少し掘り下げると、

女子サッカーが社会に与える影響の面での価値が挙げられる。
分かりやすいのが男女平等実現へのアプローチで、
アメリカやカナダ、スペインでは待遇格差について選手が訴訟やボイコットなどを通じて問題提起し、解決への一歩を踏み出した。
男女平等ランキングの低さが問題になっている日本においても、
さすがにそこまでは厳しいかもしれないが、
問題解決へ近づくための手段の1つがスポーツであり、
結果が追求されたとしても、
世間にインパクトを与える可能性があるという意味では
女子サッカーの力は絶対に大きい。

そう考えていくと、
女子サッカーに価値はある。大いにある。
私自身、女子サッカーが大好きなこともあり、
多少の、いや多大な偏見は入っているかもしれないが、
タイトルで掲げた「女子サッカーに価値はあるのか」
に対する答えは間違いなく「Yes」なのである。

と同時に、日本においてその価値はまだまだ低く、
これから上げ続けなくてはいけないと思う。

ここで終わろうと思ったのですが、テーマが「Insidestory」なことを忘れており、かなり外れたことに気づいてしまいました。
日々考えていることを書いてみたのでInsidestory、と言えばそうかもしれませんが、ア女での日々に全く触れていませんでした。
かと言ってデッドライン(もはや締切ではない)が迫りに迫っており、書き直す気力もないので、そして価値=結果に若干戻りますが、ここから無理やりテーマにかすらせます。
もう少しだけお付き合いください。

現状、日本女子サッカー界において大学の立ち位置は決して高いとは言えない。
皇后杯やTRMで感じたWEリーグとの差。
有力な選手のほとんどが高校を卒業するとWEリーグのチームに加入し、大学に進む選手はとても少ない。

という中で、大学から女子サッカーの価値を高めるためにトレーナーである自分ができることは何だろうか。
そんなことを考えていたとき、WEリーグ初代チェアの岡島さんとの座談会があった。
そこで言われた言葉をこの先忘れることはないだろう。
と言いつつも一言一句同じではないのだが、

アメリカでは女子サッカー選手は皆大学を経由する。そこで徹底的にフィジカルを鍛えて強くなる

というような内容だった。
サッカーで勝つためにフィジカルが全てだとは微塵も思っていないし、
将来WEリーグでトレーナー(フィジコ)をやりたいという気持ちも変わらないが、
少なくともあと半年、そして卒業後もタイミングは問わずとも関わる可能性のある大学というカテゴリのトレーナーとして、
自分が日本の女子サッカーのためにできそうなことが見えた瞬間だった。
大学から日本トップレベルの選手を輩出する
と大きなことを言ったが、
現在の自分の力では到底そんなことは達成できないので、これからも貪欲に勉強し続けていく。

深夜テンションで書いたので小論文だったら大減点されそうなレベルで長くまとまりがない文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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以上です。
明日もお楽しみに!
小林