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『決断』3年 杉山遥菜

本日の担当は、3年杉山遥菜です!
ア女という組織が大好きで、ア女全員にリスペクトを持って言動する彼女。
そんな愛に溢れた彼女が迷いながらも出した将来の決断とは…。
是非ご覧ください!

私はこれまで、「願望」というものをはっきりもったことがなかった。

小学1年生で始めたサッカーも半ば強制的なスタートだった。中学受験で十文字中学、高校に進み6年間サッカーをすると決めた時も「他にやりたいこともないし今ハマって楽しいから続けるのもありかな」と思った程度だった。部活動ならサッカーだけでなく、勉強や人間関係、仕事もある環境だから、きっとサッカーを続ける気持ちも、やる気も強くなりそうだな、たとえやめたくなったらいつサッカーやめても大丈夫だな、と考えて選んだ。大学への進路選択の時も同じだった。「辞めたい」とは思わないのに辞めるのはもったないし、他に熱中できるものもない。それならア女でサッカーに心燃やそう、そんな理由で進路を選んだ。

私の決断はいつも、「サッカーやりたい」という心の底から湧き上がってくる感情ではなく、「サッカーやめたい」がないならまだ挑戦しよう、というどこか受け身な考え方だった。

けれど、いったん組織に入ってしまえば、いつも気持ちはすぐに熱くなる。「このチームで勝ちたい」「日本一を獲りたい」「みんなとサッカーがしたい」「そのために自分も貢献したい」。そんな思いが自然に溢れてくる。その感覚が好きで、サッカーを続けてきたし頑張ってきた。

サッカーは大学で終わり。私の中でこの気持ちは揺るがない前提だった。残されたサッカー人生4年間を全てア女に捧げて、やり切る。そう決めていたから、入学早々の面談でも監督に、卒業後は100%就職です、と伝えた。

ところが、今シーズンが始まってすぐの面談では、サッカー続けるか迷っています、と伝えていた。
去年の冬インカレの準決勝で敗れ、日本一を逃した悔しさを引きずりまくり、オフシーズンはリフレッシュや自主練を繰り返したのに、気持ちはなかなか切り替えられなかった。そんな中で迎えた新シーズン。なぜか心のどこかで大学卒業後もサッカーをやりたいかもしれない、と思う自分がいた。自分でもびっくりした。人生何度目かの、「サッカーやめたくない」という感情だった。

就職50%、サッカー50%の気持ちのまま大学3年生の半年が過ぎた。かなり充実した半年だった。だが、夏休みに入った8月で私の気持ちは再び大きく動いた。

「やっぱり、サッカー大学までにしようかな」

理由はア女が好きだから。

去年のア女日記でも書いたが、ア女は本当にすごい組織である。サッカーのレベルはもちろん、1人ひとりの人間性や雰囲気、考え方や姿勢。その全てに毎日驚かされ、学ばされる。
全員1人残らず、心から尊敬している。
こんなにも毎日が学びと温かさに満ち、居心地が良くて、かけがえのない存在だと思える場所は、人生の中でここだけかもしれない。ア女と過ごした夏休みで、さらにみんなのファンになり、みんなの長所や短所丸ごとひっくるめてもっと好きになり、みんなといる時間がただただ楽しかった。

だから、私のサッカー人生の最後はア女がいい、という欲が出てきた。ゆづ(2年、河合結月)がnoteで書いてたけど、ア女って当たり前を特別にしてくれる組織である。そんなア女で4年間悔いなくやりきったら、それはつまり私の人生にとって、サッカーをやり切ったことになるんじゃないか、と感じた。綺麗事かもしれないし、逃げの選択だと思う人がいるかもしれない。でも本心だった。あと1年半でア女に全部捧げてやりきろう、やりきりたい、と本気で思った。

夏休みの面談では、サッカーやめたいと思ってますって伝えようと心に決めたつもりだった。親にも、サッカーやりたいって言ってたけど本当は迷ってた、またはやめようと思ってる、と言おうと考えていた。

 

そしてア女日記を書いている9月19日現在。

私は「サッカーをやりたい」という人生初めての感情に出会っている。

ここまで読んでくださった方は、この人優柔不断だな感情コロコロ変わりやがって、と思うかもしれない。その通りだと思う。でもコロコロ変わるのもおかしくないくらい、それほど毎日何度も何度も、自分に問いかけ続けた。サッカーやりたいのか、サッカーやめたいのか、自分は将来何したいのか、何になりたいのか。嫌というほど考えた。もう考えることを投げ出したいと何回も思った。それでも、自分と向き合い続け、暇さえあれば、暇なんてなくても、悩んでいた。

どうして心変わりしたのか。

単純に、

自分に期待してみたい、と思った。

今までは自分に期待をしたことがなかった。自分のことを過大評価も過小評価もせず、いつでも客観的に見る私は、自分の理想像などは特になく、今できることを全力で、スタンスで常にやっていた。いつも自分を第三者目線で見てしまうから、現実的なことしか考えられない。だから「こうなりたい」「ここのレベルまでいきたい」「ここを目指してみたい」と思ったことがなかった。でも、そういうのを思い描いて、自分に期待してみたくなった。

つまり私は今まで、自分に対する欲がなかった。
上手くなりたいとか、こういう人になりたいだとか。

でも21歳になって、ア女での生活も残り1年半になって。
みんなと辛いけど楽しい唯一無二の時間を過ごして。
常に挑戦し続けるみんなの姿を見て。

何かに向かって頑張る人が本気でかっこいいと思った。

私も自分に欲を持ち、何か目標や野望を掲げ、がむしゃらに挑戦してみたい。自分への欲(期待)を表現してみたい。そして、そんな大人になりたいと思った。

だから私は「サッカーをやりたい」
自分で自分に期待し、認めてあげて、自分を誇れる人になりたい。

そう決断した。

たとえ卒業後、サッカーを続けていなかったとしても別にいい。それはそれで、実力とか運だとかタイミングだとか、何かしら理由があったんだろう。人生で初めて大きな決断をし、普段は感情を言葉にすることを避けてきた私が、このア女日記で気持ちを表明して、その目標に向かって全力で取り組む、努力する。この事実だけで、私は私のことを誇れるようになれるし、好きになれると思う。

だから私は、ア女日記という1年間に1回のこの機会を自分の決意表明にする。

私が卒業後もサッカーを続けたいという感情に出会えたのは紛れもなくア女に関わる全ての人のおかげだ。
これからの挑戦の中で、また心が揺れることがあるかもしれない。けれど、初めての感情を味わったこの瞬間を、私はここに残しておきたい。

自分に期待する勇気をくれた監督。
挑戦できる環境に導き、今でも私を支えてくれる両親。

そして何より、
私にいつもパワーと勇気と笑顔と、たくさんの感情をくれるア女のみんな。

心からありがとう。
そしてこれからもよろしく。

みんなで、躍道しよう。

これが、
回り道ばかりの、私の長い決意表明。
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以上です。
明日もお楽しみに!
田村