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インカレ特集~四年生の想い・八神友梨弥~

インカレの芝の感覚も、ロッカールームの雰囲気も、ピッチから見える景色も、
私は何一つ分からない。
けど、絶対に4連覇を成し遂げる、日本一になる。

私は、公式戦にまともに出たことがほぼない。
試合に出れる実力が足りない。
それどころか、戦う気持ち、声、ハードワークと全くア女のサッカーを理解しようとしなかった。馴染む努力をしてこなかった。そんなことしているから、
自分のせいなのに、上手くいかないプレーに落ち込み、
自分のせいなのに、今のポジションが本当に向いているのか悩んでしまう、
周りと比べ何もできない、何もしていない私の存在価値はなく、
モチベーションも、挽回するエネルギーもどんどん減っていった。
いつの間にか、そもそも何のためのサッカーで、誰のためのサッカーで、何故ア女で頑張らなければならないのかが分からなくなっていた。
だんだん練習に行くことが辛くなった。
グランドや部室に行くことも、ボールを蹴ることさえも、
嫌で嫌で仕方なかった。
ア女でのサッカーは、私の中で苦しめるものになっていった。
この現状から逃げ出したくて、サッカーと向き合うことが怖くて、
何度も何度もア女を辞めたい、辞めようと思った。
けど、辞める勇気も覚悟もできなかった。弱かった。

毎日の練習をただこなす日々の中、
いつもの様に練習に行く準備をしていると、母から連絡が来た。
父が亡くなった。と、
私は、高校から実家を離れたので、それから父とは6年程一緒に生活していない。
正直、居なくなっても大学での生活リズムは変わってない。
亡くなった実感が全く湧かなかった。
しかし、時間が経つにつれて、思い出が蘇るにつれて、気づいた。
今まで小中高、そして早稲田大学でサッカーを続けられたのは、父のお陰だった。
サッカーが好きで、好きなことを当たり前に打ち込める環境にいられるのは、父がいたからだった。
恩師に「感謝」とは「感じて謝ること」と教わったことがある。
当時は、へー、ぐらいしか理解できなかった。でも、今は身に染みて分かる。
私は、こんなに恵まれた環境にいるに、
どれ程の時間を無駄にしていたのか、
何でもっと努力をしなかったのか、
辞めたいなどと甘えていたのかと自分の情けなさをものすごく感じ、
涙が止まらなくなった。
過去の自分の行動に、迷惑をかけたア女に、そして父に、謝りたい気持ちでいっぱいになった。
今更ですが、本当にごめんなさい。
そして、必要としてくれる戦友がいて、サポートしてくれるトレーナーやマネージャー、スタッフ陣、ヨガの先生が当たり前のようにいて、綺麗なグランドがあって、安心して住める寮にいれて、サッカーができている。
本当に感謝してます。いつもありがとうございます。

失ってから、やっと気がついた。

何のためのサッカーか?
誰のためのサッカーか?
ア女で頑張る意味はなにか?

私はわくわくドキドキする楽しいサッカーが好きだから、
そう感じる自分のために、父や家族のためにサッカーをする。
幸せなことに目の前にサッカーができる環境があるから、
私は、最後までこのア女でサッカーを頑張ります。

私はこの4年間、
サッカーが嫌いだと知った。
けど、それ以上にサッカーが大好きだと知った。
数えきれないほど一人で泣いた。
けど、その分支えてくれる仲間の存在に気付き、
卒業しても付き合っていく大切な友人ができた。
家族が一人欠けた。
けど、本当の感謝の意味がわかった。
ア女で過ごした時間はほとんどが真っ暗だったけど、光が差していることに気付き、学べること、大切なことを手にすることができた。
強くなれた。

最後ぐらい4年生らしくなります。
最後ぐらいチームのために力を尽くします。
最後ぐらいピッチで心の底から勝利をみんなと喜びたいです。
まだまだ未熟者ですが、あと少しどうぞ宜しくお願い致します。
そして、インカレ4連覇に向けてご声援宜しくお願い致します。

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ボールに息を吹き込むような繊細なタッチで
自由に活き活きとボールを操る彼女には、人の目を惹く力がある。
「サッカーが、楽しくて仕方ない」そう聞こえてきそうなほどに。
当たり前かのようにサッカーを続ける日々の中にいると
何を目指し、どこへ向かっているか、見えなくなる事だってある。
好きで続けているはずのサッカーが、
自分を苦しめ、悩ませるものに変わる事だってある。
そんな中で、彼女は見つけた。
自分以上に、自分を信じてくれている家族の存在を。
同じようにもがきながらも、立ち上がって前を向く仲間の姿を。
そして、自分はやっぱり、サッカーが大好きだという事を。
ずば抜けたセンスが光り輝く彼女のプレーは、
見る人の心を踊らせ、熱狂の渦へと巻き込む。

以上です。
残るは、あと4人です。
お楽しみに!
それでは、失礼します。
阪本