diary-women

『4年間』冨田実侑


ア女での4年間を振り返りながら、身に染みて感じている。

家からグラウンドまでの道、
グラウンドに咲く大きな桜、
セミの声、黄色く染まる道
東伏見のイルミネーション、
その季節になると繰り返し見ていた情景、
みんなの顔をみることが当たり前ではなくなる日々が迫っていることを。

これから生きる人生の中から、ア女で過ごした時間を切り取るとほんのわずかな時間で、

もう二度とみんなと過ごす日々は訪れることはないということを。

毎日目の前のプレーに魅了され、心が躍るようにサッカーを楽しんでいたあの頃。

怪我で悩み、色々な人に支えてられての復帰。
やっとサッカーできる!サッカー楽しい!!と思っている矢先にまた怪我、の繰り返し。応援してくれる人をいとも簡単に裏切ってしまうようで本当に自分に嫌気がさしていたあの頃。

「もうサッカーから離れた方がいい」と
神様から言われているのかもしれない。
グラウンドに向かう道の途中、何度も何度もその言葉が頭の中で繰り返され
何度も、いや、違うんだ、と言い聞かせていたあの頃。

この経験にはどんな意味があるのだろうか、サッカーを考えるたびに苦しくなることもあった。

でも、そんな日々ばかりではなかった。

みんなで勝利を掴んだ日、納得のいくプレーができた日の胸の高まり。

怪我から復帰した選手をみんなで喜び讃える瞬間。

グラウンドで転げ落ちるほど笑い合った日々。

練習後星空を眺めた日々。

どんな状況でも、共に笑ってくれる仲間のおかげで、

現実から逃げそうな時には
自分の弱さを受け入れ、進もうとすることができたのだと思う。

この4年間の出来事は、
人生の中で、もしかすると
しなくてもいい経験
に入ることが多いのかもしれない。

でも、今ならわかる。

4年間の全ての出来事が
自分には必要な経験だったと。

「4年という時間」
長いようで短く、短いようで長い4年の間に
出会った先輩の、後輩の、同期の、スタッフの、心から尊敬する人たちの言葉や行動に
勇気づけられ今の私がいる。

この4年間で学んだことを思い返すと
当たり前とされることばかりだが、
実際に行動し、継続することは難しい。

失敗は怖いし、苦しい。
けど、ほんのわずかの希望を持って、やってみる。なにも始めなければ何も起きない。

ということを忘れては、また気づかせてもらってきた。

うまくいかないこともあったし、でもできるようになった時は楽しかった。

ア女での全てのことが過去のことで、
もうこのチームでの未来を想像することができなくなることに気づき、寂しくなっているが、

いよいよ、早稲田のユニホームを着ることができる最後の大会が始まろうとしている。

沢山の方のご尽力により大会が開催できること、サッカーができていること、
このメンバーで挑むことができることに喜び、感謝し、
ア女での4年間の想いを込め感謝の気持ちを体現したい。

優勝を掴み取った瞬間のこと、今も忘れない。

再び味わいたい。

みんなで。

頂、掴みにいこう!!

15年間飽きずに応援し、見守り続けてくれた家族、

支え、応援してくれた先輩、友人、

サッカーを、サッカーから学ぶことを教えてくれた指導者の方々、

今まで一緒にプレーした方々、

今まで関わってくださった方々との
ご縁にこの場を借りて感謝申し上げます。

本当にありがとうございます。

最後の大会、臙脂の誇りを胸に精一杯闘います。

拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
これからもア女の応援よろしくお願いいたします。

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彼女は苦悩を口にしない。
ただ、今自分にできる最善を尽くし
ひたすらに向き合っている。
失敗を恐れず、前に進み続けている。
4年間で濃く刻み付けられた日々、
それを表現する舞台は整った。
彼女の小さな体から想像つかないような
溢れ出るエネルギッシュなプレーで
最高の瞬間を再び味わせてくれるだろう。